朝日ラバーは、好業績や低PBRを評価して高値圏回帰目指す

  車載照明用ゴム製品の朝日ラバー <5162> (JQS)の株価は、上値がやや重いが一方では下値を着実に切り上げている。400円近辺のフシを突破すれば上げ足を速める可能性があり、好業績や低PBRを評価して高値圏回帰の動きを強めそうだ。なお5月13日に決算発表を予定している。   自動車内装照明関連などの工業用ゴム製品を主力として、スポーツ用ゴム製品(卓球ラケット用ラバー)や医療・衛生用ゴム製品(点滴輸液バッグ用ゴム栓など)も展開している。シリコーンゴムをベースにした製品開発に強みを持ち、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」などを主力製品としている。   車載用「ASA COLOR LED」は従来の高級車向けに加えて、小型車や軽自動車向けにも採用が拡大している。また新製品・新規分野では機能製品のRFIDタグ用ゴム製品を増産する。NEC<6701> のポータブルDNA解析装置向けマイクロ流体チップについては、今期(15年3月期)量産開始する計画だ。   前期(14年3月期)連結業績見通し(2月12日に増額修正)は売上高が前々期比16.5%増の55億80百万円、営業利益が同2.1倍の2億80百万円、経常利益が同2.1倍の2億88百万円、純利益が同95.4%増の1億50百万円としている。自動車関連製品の好調が全体を牽引し、スポーツ用ゴム製品やRFIDタグ用ゴム製品も堅調だ。医療用ゴム製品の顧客側の在庫調整も一巡したようだ。   増収効果、円安メリット、コストダウン効果などで、新製品プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケットの立ち上げ費用、マイクロ流体チップ試作開発・量産準備費用などのコスト負担増を吸収する。今期(15年3月期)については、自動車向けで消費増税駆け込み需要の一時的な反動が警戒されるが、影響は限定的だろう。新製品も寄与して好業績が期待される。   株価の動きを見ると、2月中旬以降はやや小動きとなった。そして全般地合い悪化も影響して400円近辺がフシとなり、上値の重い展開となった。しかし一方では、2月安値316円から3月安値354円、4月安値375円と下値を着実に切り上げている。好業績を評価する動きだろう。   5月7日の終値389円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS32円98銭で算出)は11~12倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS652円12銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると3月安値は26週移動平均線がサポートラインとなって反発し、13週移動平均線も回復した。400円近辺のフシを突破すれば上げ足を速める可能性があり、低PBRも支援材料に高値圏回帰を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
車載照明用ゴム製品の朝日ラバー<5162>(JQS)の株価は、上値がやや重いが一方では下値を着実に切り上げている。
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2014-05-08 07:30