中国国有鉄道、ナイジェリアの鉄道建設受注・・・「経済力強化と現地の暮らし改善」が目的=中国メディア

 中国の李克強首相のアフリカ歴訪に合わせて、国有鉄道建設大手、中国鉄建傘下の中国土木工程集団は5日、ナイジェリア交通省とナイジェリア沿海部の鉄道建設契約を交わした。契約額は131億米ドル(約1兆3300億円)。中国鉄道産業のアフリカ、そして海外への進出加速を印象付ける契約となった。中国・第一財経日報が7日伝えた。  この契約に基づき、中国土木工程集団は中国の鉄道技術を用いて全長1385キロの鉄道を建設。22カ所の駅を設け、時速120キロで走行可能な車両を走らせる。  中国の高虎城商務相によれば、ナイジェリアは「中国企業がアフリカで最も多くインフラ建設を請け負っている国」であり、鉄道分野で中国に対する信頼が厚いことをうかがわせ、中国企業はナイジェリアで1995年以降これまでに計4500キロの鉄道修復作業を請け負った実績があることから、さらに新たな鉄道の建設も進めているという。  一時、中国はアフリカで資源獲得に積極的と言われ、各国から「新植民地主義」と批判も浴びたが、最近は鉄道建設を通じた「アフリカ支援」を前面に押し出している。現地のインフラ整備を支援する形で物流網を整えることは、中国企業の市場開拓にもつながるというわけだ。  李首相は今回、5月4日から8日間の日程でエチオピア、ナイジェリア、アンゴラ、ケニアの4カ国を歴訪。中国はアフリカの各国と鉄道、道路、通信、電力関連などのプロジェクトで積極的に協力したい意向で、鉄道分野ではアフリカに「高速鉄道研究開発センター」を設ける計画がある。  中国は広大な国土を高速鉄道で結ぶ計画を進めると同時に、高速鉄道の海外輸出にも力を入れている。その動きは米国にリニア新幹線技術を無償提供するといった日本の売り込み戦略と競い合うかのようだ。  中国紙・21世紀経済報道は7日、「中国の高速鉄道外交は短期的な利益を目指すものではなく、長期的な投資によってアフリカの経済力を強め、現地の人々の暮らしを改善して中国に親近感を持ってもらうためのものでもある」と指摘した。(編集担当:古川弥生)(イメージ写真提供:123RF)
中国の李克強首相のアフリカ歴訪に合わせて、国有鉄道建設大手、中国鉄建傘下の中国土木工程集団は5日、ナイジェリア交通省とナイジェリア沿海部の鉄道建設契約を交わした。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-05-08 07:30