【為替本日の注目点】NYダウ反発でドル安一服も神経質な展開
NY市場
ドル円は東京時間夕方に一時101円43銭まで下落したもののその後は動かず、NY朝方にはドルが買われ102円近辺まで上昇。その後はイエレン議長の発言で再び101円台半ばまで下げるなど神経質な展開が続き101円90銭前後で取引を終える。
ユーロドルは1.39台半ばがやや重くなり下落。それでも1.39台は維持し、前日のユーロ高の影響を残しながらも、本日のECBの政策スタンスをにらんだ展開。
ダウは大幅に反発。イエレン議長の発言内容は想定内であったことで買戻しが優勢だったが、ネット関連株の下げが止まらずナスダックは13ポイント下落。
債券相場は小幅に続伸。イエレン議長が緩和策が引き続き正当化されると発言したことが手がかり。
ドルが反発したことで金は大幅安。原油は3日続伸し100ドル台を回復。
3月消費者信用残高 → $17、5298 B
ドル/円 101.58 ~ 102.01
ユーロ/ドル 1.3910 ~ 1.3939
ユーロ/円 141.42 ~ 142.00
NYダウ +117.52 → 16,510.34ドル
GOLD -19.70 → 1,288.90ドル
WTI +1.27 → 100.77ドル
米10年国債 -0.003 → 2.590%
本日の注目イベント
豪 豪4月雇用統計
中 中国 4月貿易収支
独 独3月鉱工業生産
欧 ECB政策金利発表
欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
英 BOE政策金利発表
米 新規失業保険申請件数
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米 タルーロ・FRB理事講演
昨日は日経平均株価が424円の急落を見せたことで、ドル円は一時101円43銭までドル安が進み、海外市場でももう一段ドルが売られるのではないかとの懸念がありましたが、イエレン議長の発言とNYダウが反発したことでドル安が一服した格好です。ドル円は102円前後まで値を戻した後、再び101円台半ばまで下落するなど、引き続き米金利の動きを見ながら不安定な展開が予想されます。
イエレン議長は議会で証言を行い、「高レベルの金融緩和政策が引き続き正当化される」と発言し、その理由として、「職を望む多くの米国民はなお失業状態にあり、インフレ率が当局の目標である2%を下回っている」と指摘しました。そして、注目のゼロ金利解除の時期に関する質問に対しては「実施時期に関して、機械的に決められた方式やタイムテーブルは存在しない」と実施時期には言及しませんでした。(ブルームバーグ)
全体とすれば、米労働市場の改善は目だってきてはいるが、依然として長期失業者が多いことなどに懸念があり、消費者物価指数が上がらないことで何らかの景気刺激策が必要とのスタンスでした。もっとも、この内容はほぼ想定通りだったことでダウは上昇しており、債券相場も続伸するなどまちまちの反応でした。
ドル円は101円台割れを試す動きにはならなかったものの、依然として米長期金利は2.59%と低水準に留まっており、まだドル下落バイアスが強いと考えられます。ただ一方で、昨日の日経平均株価が大幅安を見せた割にはドルの腰は強いと見ることもできそうです。先週末に比べ424円の下落は101円程度までのドル安があっても不思議ではないとう感覚です。海外市場では101円台半ばを割りこんではいません。101円30銭前後で何度も押し戻されている事実も機能しているものと思われます。
「1時間足」を見ると昨日のNY市場でのドル反発も102円前後で上昇を止められていますが、これは「雲」の上限で押さえられた格好になっており、上値の重さを示しています。ただ、既に「MACD」はプラス圏まで回復しており、短期的にはドル反発の兆しが見られないわけではありません。それでも「日足」では、「遅行スパン」が引き続き「逆転」を見せており、もう少し長いスパンではドルの下落を示唆していると捉えられます。
本日は日本の株価も反発すると見られますが、その際にNY市場のドル高値である102円を抜けることができるかどうかに注目しています。明確に上抜けできれば昨日の101円43銭が短期的な底値の可能性もでてきますが、株高にもかかわらず再び101円台半ばに向かってずるずる下げるようだと、今夜の海外市場では下値をテストするかもしれません。予想レンジは101円20銭~102円20銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は東京時間夕方に一時101円43銭まで下落したもののその後は動かず、NY朝方にはドルが買われ102円近辺まで上昇。その後はイエレン議長の発言で再び101円台半ばまで下げるなど神経質な展開が続き101円90銭前後で取引を終える。
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2014-05-08 09:30