オリックス、新トップに井上氏、宮内氏は「最高の交代タイミング」と

オリックス <8591> は2014年5月8日開催の取締役会において、取締役兼代表執行役会長・グループCEOの宮内義彦氏(写真:右)の退任と、取締役兼代表執行役社長・グループCo-CEOの井上亮氏(写真:左)のグループCEO就任を決定した。6月24日開催予定の定時株主総会および取締役会にで正式に決定される予定。5月8日にパレスホテル東京にて記者会見を開催し、宮内氏が異動に関する趣旨を説明。井上氏はグループCEO就任の所信を表明した。
宮内氏は、経営の第一線から退くことを決めたことについて、「既定路線。今期か来期かという気持ちでいた。本日発表した今期の連結決算見通しで、創業以来の最高益をめざすほどの勢いがある計画になったので、次のステップに移るには最高のタイミングだと判断した」と語った。2014年1月1日に、井上氏をグループCo-CEOに指名した段階で、すでに引退の時期を意識していたという。
宮内氏は、グループCEOを退任した後には、「シニア・チェアマン」という役職に就く。「経営トップの間には、目の前の大きな課題に全力で取り組むため、本当は重要なことであっても、今やらなくてはならないことでないと、おろそかにしてしまうことがあった。トップから身を引くことによって、これまでできなかったことに取り組むとともに、経営執行部に対するアドバイザーとして助言していきたい」と今後について語っていた。
「これまでやりたくてもできなかったこと」については、「長期的な戦略をじっくり考えること」、「井上氏の次の世代、50代の中から人材をピックアップして育成すること」を挙げた。「実は、現在のオリックスには井上氏をはじめ、史上最も強いと感じるしっかりした経営チームが出来上がっている。ところが、次の世代については、本当の力量や人となりについて、つかみきっていないという思いがある。よくよく見極めて、次世代の人材をピックアップすることから始めたい」という。また、プロ野球チームのオーナー職は継続すると語り、「フランチャイズの大阪が元気になるよう、もっとチームを強くしたい」と、今後への楽しみとした。
新グループCEOに就く井上氏は、「1月にCo-CEOを拝命した時には、後3年くらいは宮内CEOが続くものと考えていたので、数週間前に“覚悟は?”と聞かれた時には、“できています”と返答したものの、時期が早すぎるという思いはあった」と、今回の交代が事実上決まった経緯について振り返った。そして、新グループCEOとして「オリックスの独自のDNAを進化させ、次の50年に向けた一歩を踏み出したい」と力強く宣言した。
井上氏は、“次のオリックス”について、「これまでもそうだったように、5年後を見据えて今から手を打っていくのではなく、足元の業務にまい進しつつ、隣のフィールドを開拓して周辺業務を拡大していきたい。今後、どのような企業になっているのか想像もつかない。収益を強化しつつ社会にも貢献するグローバル企業でありたいと思っている」と語っている。
井上氏は、東京都出身の61歳。「1975年に入社した当時に国際部に配属され、その管掌役員が宮内氏だったので、以来39年間、宮内氏の下で勤めてきた」という。2011年1月に取締役兼代表執行役社長・グループCOOに就任した。(取材・編集担当:徳永浩)
オリックスは2014年5月8日開催の取締役会において、取締役兼代表執行役会長・グループCEOの宮内義彦氏(写真:右)の退任と、取締役兼代表執行役社長・グループCo-CEOの井上亮氏(写真:左)のグループCEO就任を決定した。
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2014-05-08 19:15