TACは4月安値で底打ちして出直り、収益改善基調を評価
「資格の学校」を運営するTAC <4319> の株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、足元では調整一巡して反発の動きを強めている。4月安値で底打ちした可能性があり、収益改善基調を評価して出直り展開だろう。なお5月15日に決算発表を予定している。
財務・会計分野(簿記検定・公認会計士など)、経営・税務分野(税理士・中小企業診断士など)、金融・不動産分野(宅建・不動産鑑定士・FPなど)、法律分野(司法試験・司法書士など)、公務員・労務分野(社会保険労務士・国家総合職など)など幅広い分野で「資格の学校」を運営し、法人研修事業や出版事業なども展開している。
13年12月には増進会出版社と資本・業務提携した。増進会出版社は子会社のZ会を通じて通信教育事業などを展開している。当社の教室運営ノウハウや資格系コンテンツ開発力などと、増進会出版社の通信教育ノウハウや教養系コンテンツ開発力などを融合させて、新たなソリューションの提供を目指す戦略だ。
4月15日には、中国の子会社TAC大連がパソナ上海と提携し、パソナ上海が現地日系企業スタッフ向けに実施する「日本式簿記研修講座」に、TAC大連が教材および講師などの教育コンテンツを提供すると発表した。TAC大連は今回のパソナ上海との教育コンテンツに関する提携のほか、各地の有力日本語学校との提携も進めている。
また4月25日には、当社の出版部門であるTAC出版がPHP研究所と、TAC出版の刊行物の電子書籍化を共同で行うことに合意したと発表した。4月25日からKindleストア(Amazon)で販売を開始し、順次他の国内外の電子書籍配信プラットフォームでも配信する予定だ。
前期(14年3月期)連結業績見通し(4月2日に増額修正)は、売上高が前々期比2.4%減の204億92百万円、営業利益が同6.1倍の8億24百万円、経常利益が同2.7倍の10億30百万円、純利益が同27.8%減の7億05百万円としている。公務員講座の好調が続き、公認会計士講座は監査法人への就職状況好転で下げ止まったようだ。期初予想に対して減収幅が縮小して営業増益幅、経常増益幅が拡大する。純利益は移転補償金などの特別利益一巡、出版事業の返品廃棄損失引当金計上などが影響するが、減益幅が縮小する。
今期(15年3月期)は、公務員講座の好調や公認会計士講座の回復などに加えて、売上原価での講師料・教材制作外注費・賃借料の削減、販管費での人件費・広告宣伝費・賃借料の削減など、事業構造改革の効果も本格寄与して収益改善基調だろう。
株価の動きを見ると、1月高値499円から反落後は、地合い悪化も影響して水準切り下げの展開が続いた。しかし4月11日に付けた直近安値272円から、足元では290円近辺まで戻して反発の動きを強めている。調整が一巡して底打ちした可能性があるだろう。
5月8日の終値286円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS38円66銭で算出)は7~8倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.4%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS181円59銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る動きとなり、徐々に下値を切り上げている。また日足チャートで見ると、戻りを押さえていた25日移動平均線突破の動きを強めている。4月安値で底打ちした可能性があり、収益改善基調を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
「資格の学校」を運営するTAC<4319>(東1)の株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、足元では調整一巡して反発の動きを強めている。
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2014-05-09 07:30