FPGは三角保ち合い上放れのタイミング、好業績を評価
タックス・リース・アレンジメント事業を主力に総合金融サービスを展開するFPG <7148> の株価は、地合い悪化も影響してやや上値の重い展開だが下値は着実に切り上げている。好業績を評価して三角保ち合い上放れのタイミングだろう。
子会社(特別目的会社SPC)が運営するオペレーティング・リース事業の組成・販売・管理などを行うタックス・リース・アレンジメント事業を主力として、保険事業(保険仲立人)、M&Aアドバイザリー事業、プライベートバンキング事業、不動産関連事業なども展開している。
タックス・リース・アレンジメント事業は、航空機・船舶・海上輸送用コンテナなど大型輸送設備を主対象としてリース組成し、出資金販売に伴うSPCからの手数料収入を収益柱としている。13年11月には、独立系の大手航空機リースマネジメント会社であるアメンタム社(アイルランド)の株式25%を取得して資本業務提携し、航空機リース組成事業を強化している。
なお投資家がリース事業に出資するか否かの意思決定は、投資家自身の業績動向が判明する決算月近くに行われる傾向があるため、当社の売上高は第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)に集中する傾向が強い収益構造である。
高収益オーナー企業や富裕層などの投資家に対して、各種金融商品・サービスを提供するワンストップ型総合金融サービス会社を目指し、収益構造の多角化に向けた取り組みを推進している。13年3月にFPG証券(旧フィンテックグローバル証券)を子会社化して証券業、13年6月に子会社FPGリアルエステートを設立して不動産関連事業に進出した。さらに14年4月には第一投資顧問を子会社化して投資顧問業に進出した。
4月30日発表の今期(14年9月期)第2四半期累計(10月~3月)連結業績(4月16日に増額修正)は、売上高が前年同期比46.6%増の30億94百万円、営業利益が同45.1%増の17億50百万円、経常利益が同34.8%増の14億84百万円、純利益が同35.5%増の9億07百万円だった。リース事業組成金額は同2.0倍の527億47百万円、出資金販売額は同39.3%増の176億55百万円だった。
信用力向上に伴って全国の会計事務所や金融機関からの顧客(投資家)紹介が一段と増加し、企業収益の改善なども背景として需要が高水準に推移した。出資金販売額が想定以上に大幅増加して、業容拡大に伴う人件費や経費の増加を吸収して大幅増収増益だった。なお第2四半期累計末時点で金融機関とのコミットメントライン契約による資金調達枠の総額は398億円に拡大した。
通期連結業績見通し(4月16日に増額修正)は売上高が前期比35.7%増の54億43百万円、営業利益が同30.1%増の27億12百万円、経常利益が同23.0%増の24億12百万円、純利益が同23.1%増の14億59百万円、リース事業組成金額が同44.5%増の1422億01百万円、出資金販売額が同26.4%増の323億83百万円としている。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が56.8%、営業利益が64.6%、経常利益が61.6%、純利益が62.2%、リース事業組成金額が37.1%、出資金販売額が54.5%である。単純計算すると下期(4月~9月)は上期(10月~3月)に比べて減収減益の形となるが、下期に販売予定だった出資金の一部を前倒し販売したためとしている。出資金に含まれる手数料率は概ね14~15%の高水準を維持しているようだ。通期ベースでも好業績が期待されるだろう。
10年9月JASDAQ市場上場、11年10月東証2部市場上場、12年10月東証1部市場への指定替えによって信用力が向上し、公募増資や利益積み上げによる財務体質向上効果も寄与して、販売提携先からの紹介を含めた投資家に対する出資金販売力、金融機関からの資金調達力、そしてリース事業の案件組成能力が大幅に強化されている。ワンストップ型総合金融サービス会社を目指して参入した新規分野も寄与して、来期(15年9月期)以降も収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、2月の安値813円から3月の戻り高値1177円まで急反発したが、その後は全般地合い悪化も影響して、やや上値の重い展開となっている。4月16日発表の今期業績見通し増額修正を好感する動きも一時的だった。ただし2月安値813円、3月安値905円、4月安値941円と下値は着実に切り上げている。
5月8日の終値1020円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円08銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円50銭で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS172円57銭で算出)は6倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線が上値を押さえているが、一方では2月安値から下値を着実に切り上げて三角保ち合いの形だ。好業績を評価して上放れのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
タックス・リース・アレンジメント事業を主力に総合金融サービスを展開するFPG<7148>(東1)の株価は、地合い悪化も影響してやや上値の重い展開だが下値は着実に切り上げている。
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2014-05-09 07:30