年金で株が上がるってホント？＝為替王

Ｑ：　年金改革で株価が上がると聞きましたが、どういう意味ですか？ Ａ：　現在約１３０兆円規模の国民の年金（厚生労働省所管の年金積立金管理運用独立行政法人）を使って株を買うことにより、株価が上がるのではないかとの見方があります。 Ｑ：　今までも国民の年金で株を買っていたのではありませんか？ Ａ：　はい、現在すでに全体の１６％程度を日本株に投資しています。この比率を引き上げるかどうかなどが議論されています。 Ｑ：　なぜ今、株の投資比率の引き上げが議論されているのですか？ Ａ：　今までは安全性を重視するあまり国内債券への投資に偏っており、そのため収益性が低いことが問題視されていました。収益が目標に達しない状況が長期化しており、５年ほど前から積立金の取り崩しも始まっています。このままではいずれ年金が破綻するおそれもあります。 Ｑ：　どれくらい株式投資へまわされるのですか？ Ａ：　日本株への投資比率が仮に１％引き上げられただけで、約１．３兆円の年金マネーが株式市場に流れ込みます。麻生大臣は先月「６月以降に動きが出てくる」などと日本株の買い増しを示唆するような発言をしました。しかし反対意見も根強くあります。 Ｑ：　なぜ反対する人がいるのですか？ Ａ：　株への投資を増やせば収益性が高まることが期待されると同時に、リスクも高まります。収益性が低くて目標を下回っているとしても、年金の運用は安全性を最優先すべきとの主張もあります。最終的には大きなインパクトを与えるほどの比率の引き上げは難しいかもしれません。（執筆者：為替王）