SBIホールディングス、ROE20%めざし収益力を一段と強化

 SBIホールディングス <8473> は2014年5月8日、2014年3月期連結決算について「全セグメントで大幅な増収・増益を達成した」と発表した。連結営業収益は2328億22百万円(前年同期比51.7%増)で過去最高を更新、営業利益は422億24百万円(同154.7%増)だった。当日開催した決算説明会で、同社代表取締役執行役員社長の北尾吉孝氏は、「グループ全体の収益力強化を図り、14年3月期に6.6%のROEについて、リーマンショック以前の20%台への回帰をめざしていきたい」と語った。  セグメント別の収益は、金融サービス事業が営業収益1478億35百万円(前期比30.4%)、税引前利益372億98百万円(同99%増)、アセットマネジメント事業が営業収益727億25百万円(同125.8%増)、税引前利益89億90百万円(同65%増)、バイオ関連事業が営業収益21億95百万円(同126.3%増)、税引前損失24億32百万円(同14.68億円の改善)になった。  金融サービス事業では、SBI証券、SBIジャパンネクスト証券、SBI FXトレード、SBIモーゲージ、SBIマネープラザ、モーニングスター、SBI少額短期保険、住信SBIネット銀行などが軒並み過去最高益を更新するほどに全般が好調だった。ただ、アセットマネジメント事業で第4四半期に投資先のリプロセル、アキュラセラの株価が急落し、2銘柄で54億円の評価損を計上した他、バイオ関連事業で予定されていた成功報酬の受領が15年3月期以降にずれ込んだことなどがあり、営業収益では過去最高を更新したものの、営業利益では過去最高には届かなかった。  アセットマネジメント事業に分類される韓国のSBI貯蓄銀行については、営業収益366億円、営業利益46億円を計上。14年4月30日付けで韓国金融当局による経営改善命令等が解除され通常営業が可能となったことで、15年3月期には一段と成長が期待できるとした。  北尾氏は、当面の事業環境について、「米国、中国、欧州などマクロ経済に心配するところはなく、日本においても消費増税の影響が懸念されたものの、6月に発表が予定されている成長戦略などの効果で株式市場が活性化する期待がある」と、良好な状態が続くと見通している。また、「ノンコア事業の売却、株式公開、グループ内組織再編を徹底的に進めキャッシュフローの極大化を図り、将来の金利上昇に備えて有利子負債の圧縮に努める」とした。  また、SBIバイオテックは2014年内の株式公開をめざして準備を進め、国内の保険事業については早期IPOをめざして持株会社を設立を検討するなど、引き続き積極的にグループ企業の株式公開について取り組む姿勢を強調。さらに、ALA関連事業の海外展開の加速、中国・上海自由貿易試験区においてオンライン金融事業の立ち上げを準備中など、海外事業の推進にも意欲を見せた。  なお、決算説明会の冒頭において、北尾氏は4月16日に亡くなった前取締役執行役員副社長の井土太良氏についてふれ、「二十数年間にわたり志念を共有してきた仲。ショックは筆舌に尽くしがたい。片腕を失ったようだ」と故人を悼んだ。そして、「グループにとっても試練だが、生前に全力投球で仕事に臨んでいた姿を忘れず、残った者が全力で業務に取り組み、故人の遺志を継いでいきたい」と語っていた。 (編集担当:徳永浩)
SBIホールディングスは2014年5月8日、2014年3月期連結決算について「全セグメントで大幅な増収・増益を達成した」と発表した。
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2014-05-09 15:30