今週の為替相場見通し(2014年5月12日-)=為替王

 先週は米ドル円が下方に崩れる可能性があるのではないかと懸念しましたが、結果的には1ドル=102円を割れただけで101円台で踏ん張りました。米ドル円はこの数カ月間、ずっと102円を中心とした狭い範囲での推移が続いています。今年2月の安値が100円台後半、3月や4月の安値が101円台前半。先週は101円台半ばあたりまで下がってきただけですので、一般的な見方をすれば、まだレンジ相場が続いているとの認識になるかと思いますが、細かいチャート分析の観点では、下方に崩れることを示唆するシグナルも出ています。下方(円高)への動きは、とりあえず今年の最安値(100円台後半)あたりが目処になると考えます。  ただ、それで終わらずに、100円の大台を割り込んで、昨年の5~6月に匹敵するくらいの円高トレンドへと発展するリスクを潜在的には抱えていると判断します。引き続き警戒したいです。逆に、上方向(円安方向)は、近いところで102円台前半、その先は102円台後半の水準が、上昇の動きを抑える抵抗帯になりやすいと考えます。  米ドル円とならんで今週注意したいのがユーロ円。ユーロ円も一般的な見方をすれば、この2カ月間ずっと140円~143円の狭いレンジ相場が続いているとの認識になると思いますが、チャート分析においては、下方(円高方向)に崩れることを示唆するシグナルも出ています。もしもこの2カ月間のレンジ相場で蓄積された相場エネルギーがすべて下方へ噴射されると仮定しますと、ターゲットは137円から最大で135円割れも浮上することになります。  米ドル円とユーロ円の2大メジャー通貨で、ともに大きめの下落リスクがあるわけですが、これが単なる杞憂に終わって、今年これまでどおりのレンジ相場が続くのか、それとも懸念が表面化するのか、今年上半期最大のヤマ場といってよいのではないかと思います。(執筆者:為替王)
先週は米ドル円が下方に崩れる可能性があるのではないかと懸念しましたが、結果的には1ドル=102円を割れただけで101円台で踏ん張りました。
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2014-05-12 00:00