【為替本日の注目点】NYダウ最高値でドル反発、焦点は欧州参入後のユーロの動き

 NY市場  ドル円は101円台でもみ合いながらも堅調に推移。NYダウは最高値を更新し、米長期金利も小幅ながら続伸したことで101円88銭までドルが反発。   ユーロドルは続落。ECBが来月の理事会で政策金利を引き下げるとの見方が徐々に拡大。1.37台後半から1.3745までユーロ安が進み、約1ヶ月ぶりの安値をつける。ユーロは対円でも一時140円を割り込んだ。   株式市場は堅調に推移。ネット関連株が持ち直したことをもあり、ダウは32ドル上昇し、最高値を更新する。   債券相場は続落。政策金利の引き上げが2015年後半にずれ込むとの見方が強まったことが背景。10年債利回りは2.62%まで上昇。   金は4日続落し、原油も続落。   ドル/円 101.65 ~ 101.88  ユーロ/ドル 1.3745 ~ 1.3794  ユーロ/円 139.88 ~ 140.43  NYダウ +32.37 → 16,583.34ドル  GOLD -0.10  → 1,287.60ドル  WTI -0.27 → 99.99ドル  米10年国債 +0.009  → 2.620%  本日の注目イベント  日   3月国際収支   日   4月景気ウォッチャー調査   中   中国 4月小売売上高   中   中国 4月工業生産   欧   EU外相理事会   米   4月財政収支   米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演   米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演    先週木曜日のドラギECB総裁の発言以来、6月の理事会で政策金利の引き下げなど、ECBが何らかの行動を起こすとの見方が徐々に高まり、ユーロの上値が重くなっています。ユーロは対ドルで1.3745まで下落し、対円でも139円88銭まで売られ、ともに約1ヶ月振りの安値を記録しました。  とりわけ、ユーロ円の下落が目を引き、ユーロ円はこれまで重要なサポートと見られていた「120日線」(日足)を割り込んでいます。ユーロ円がこの「120日線」を下回るのは2012年9月13日以来のこととなり、これまで上昇トレンドを継続してしてきたユーロ円に変化の兆しが見えてきたと言えそうです。  現在140円台前半で推移していますが、すぐ下値には一目均衡表の「雲」の下限があり、先週末のNYではこの水準で一旦は下落が押さえられてはいますが、同時に相場の先行きを現す「先行スパン1と2」では「雲のねじれ」が発生しており、一目均衡表のセオリーでいけば「相場の下落」を示唆しています。足許のユーロ円はレンジの下限に来てはいますが、今後の展開については注意が必要です。  ドル円は引き続き101円台で推移していますが、上記ユーロドルでドル高が進んでいることから、やや上昇機運が強く、101円台後半から102円を試す動きが観測されそうです。こちらもテクニカルを見ると、短い「1時間足」では今月2日の雇用統計以来となる「120日線」を上回ってきています。「MACD」もプラス圏に入っていることから、どちらかと言えば上値を試しそうな形状になっていると見ることができそうです。  ただドル円については、引き続きウクライナ情勢の緊迫が上値を押さえている構図は変わっていません。ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州では11日、自治権に関する住民投票が実施されました。この住民投票はプーチン大統領が延期を要請したにもかかわらず強行され、ウクライナ暫定政府や欧米は憲法違反として認めてはいません。今のところロシア政府も情勢を見守る立場を維持しており、すぐに両州を支持する行動は見せていませんが、ブルームバーグは、EUが12日にも一部ロシア企業への制裁を発表する可能性があると報じています。  本日も市場全体ではややドル高が進むと予想していますが、焦点はユーロの動きです。アジア時間では余り方向感は見られないかもしれませんが、欧州が参入する夕方からのユーロの動きに注目したいと思います。ドル円は101円30銭~102円30銭程度のレンジを予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は101円台でもみ合いながらも堅調に推移。NYダウは最高値を更新し、米長期金利も小幅ながら続伸したことで101円88銭までドルが反発。
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2014-05-12 09:30