中国の経済発展に「隠れたリスク」・・・元FRB議長「自力ではなく海外依存」=中国メディア

 米連邦準備理事会(FRB)の元議長で経済学者のアラン・グリーンスパン氏がこのほど、ワシントンで外交問題評議会が行った会議で講演し、「中国の急速な経済発展は“借り物”で、独自技術に欠けることが問題だ」と指摘した。中国メディア・新浪財経が8日伝えた。  グリーンスパン氏は1時間ほどの講演で多くの時間を中国に関する話に割いた。中国経済が急速に発展し、米国の1人当たりGDP(国内総生産)との差が20年前には40倍だったが、現在では5倍まで縮小したことを指摘した。  その上で、「問題は中国の急速な経済成長が中国自身の力によるものではなく、ほぼ全てが“借り物”である点だ」と強調。「海外からの投資と“借り物”の技術に依存しており、この点が今後の発展にとって隠れたリスクとなる」と分析した。  情報サービス大手の米トムソン・ロイターの近年の調査によれば、世界で上位100社の「最もクリエイティブな企業」の中に米企業は45社が入っているが、中国企業の名前は見当たらない。  同氏は「さまざまな議論が制限された中では、伝統的な枠の外で考え、イノベーションを実現することが非常に難しい。中国はポジティブな方向に変化してきているが、その流れはまだ非常に遅い」と指摘した。  世界銀行は2011年時点の購買力平価換算の国内総生産(GDP)を基にした推計で、中国の経済規模が今年にも米国を抜き、世界1位となるとの見方を示した。  しかしこの見解には中国メディアからも「慎重に見るべきだ」との意見が出ている。湖北省メディアの荊楚網は7日、「大事なのは質の高いGDPであり、数字だけをみて各政府部門の成績を判断することをやめ、科学的で民心を得られるGDPを求めることだ」と指摘した。  中国当局は過剰投資、バブルを抑えるために「経済の安定的な成長」を目指しており、今年第1四半期のGDP成長率は7.4%まで減速した。賃金が急速に上がり、低賃金では労働者が働かなくなった中国が「世界の工場」の地位を東南アジアなどに奪われつつあるとの報道も出る中、海外企業の工場が撤退してしまえば、「借り物の技術」に頼って経済成長を続けることも難しくなる。(編集担当:古川弥生)(イメージ写真提供:123RF)
米連邦準備理事会(FRB)の元議長で経済学者のアラン・グリーンスパン氏がこのほど、ワシントンで外交問題評議会が行った会議で講演し、「中国の急速な経済発展は借り物で、独自技術に欠けることが問題だ」と指摘した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-05-12 10:45