スカパーJは続落も今期純益の増益転換にW杯関連人気が加わり逆張り余地

  スカパーJSATホールディングス <9412> は、12円安の496円と続落している。5月8日の3月期決算の発表で、今2015年3月期業績を減収減益と予想し市場コンセンサスに未達となったことで、2月5日につけた株式分割権利落ち後安値489円を再度、確認する動きが続いている。ただ今期純利益は増益転換と予想、市場コンセンサスを上回っていることや、きょう12日午後には今年6月に開催されるサッカーのワールドカップ(W杯)の日本代表「ザックジャパン」の登録メンバーが発表され、W杯人気が高まり、同社がW杯に合わせて世界発の4Kテレビ放送を開始することも加わり、下値は逆張り余地を示唆している。 ■今期純利益は前期計上の評価損一巡で増益転換し市場予想を上回る   同社の前2014年4月期業績は、今年4月18日に期初予想が修正され、営業収益を76億円、経常利益を50億円引き上げ上方修正する一方、純利益は4億円引き下げ下方修正した。実績は、この修正通りに前々期比7%増収、37%経常増益となった。有料多チャンネル事業でHD移行費用増などがあったものの、宇宙・衛星事業でシステム受注が拡大したことが要因となった。一方、純利益は、保有している投資有価証券を減損処理、29億8600万円の投資有価証券評価損を計上したことが要因となって同0.2%減と減益転換した。   今2015年3月期業績は、宇宙・衛星事業では、引き続き企業のBCP(事業継続計画)向けのソリューションの提供や、グローバル展開を強化するものの、有料多チャンネル事業では市場全体の成長鈍化や競合他社との顧客獲得競争の激化などで慎重に予想、営業収益が1635億円(前期比4%減)、経常利益が175億円(同14%減)とした。ただ純利益は、評価損一巡で120億円(同24%増)と増益転換を見込み、市場コンセンサスを約14億円上回る。   また、世界最大のスポーツイベントのW杯関連では、同社は、サッカーの国内リーグ「Jリーグ」のオフィシャルブロードキャスティングパートナーの位置にあるが、4Kテレビ放送開始では、W杯での「ザックジャパン」の予選リーグ、さらに勝ち上がった場合の決勝トーナメントの活躍次第では新規加入者の増加につながり、業績上ぶれ材料として寄与することになる。 ■PERは12倍、PBRは0.8倍と内需割安株の一角に位置   株価は、昨年12月にソニー <6758> の保有株を取得する自己株式取得・立会外買付取引(買付価格538円)を実施したことでつけた年初来高値578円から同安値489円まで調整、この安値から前期第3四半期の高利益進捗率業績や前期業績の一部上方修正などの好材料が続き、昨年10月の株式分割権利落ち後高値579円を窺ってきた。PERは12倍台、PBRは0.8倍と内需割安株の一角に位置しており、底上げ展開に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
スカパーJSATホールディングス<9412>(東1)は、12円安の496円と続落している。
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2014-05-12 11:15