第一実業は今期大幅増収増益や割安感を評価して出直り

  機械専門商社の第一実業 <8059> の株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、足元では下値固め完了感を強めている。5月9日発表の今期(15年3月期)大幅増収増益見通しや、指標面の割安感を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。   機械の専門商社でプラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業、産業機械事業、その他事業を展開している。13年5月発表の新経営計画「AIM2015」では、最終年度16年3月期の売上高1550億円、営業利益57億円、経常利益59億円、純利益37億円を目標値として掲げている。グローバルビジネスを積極展開する方針だ。   新規事業としては、植物工場システムの販売に関するプロジェクトを立ち上げて、埼玉県入間市にパイロットプラントを建設している。また14年4月には、長野県飯田市でメガソーラー「第一実業飯田太陽光発電所」が営業運転を開始した。茨城県笠間市の太陽光発電所に続く2カ所目のメガソーラーだ。   4月25日には、米アクセスエナジー社および同社の持株会社である米カルネティックステクノロジーズ社と、バイナリー発電装置の日本国内独占的製造権取得に係る契約締結を決議したと発表している。地熱、温泉熱、焼却廃熱、一般工場廃熱など、未利用熱エネルギーを有効活用して発電するバイナリー発電システムの普及拡大を目指す戦略だ。   5月9日に発表した前期(14年3月期)の連結業績は、売上高が前々期比4.8%減の1221億02百万円、営業利益が同11.2%減の40億74百万円、経常利益が同9.1%減の44億75百万円、純利益が同19.4%減の24億59百万円だった。受注高は同1.1%増の1270億22百万円だった。   自動車関連や製薬関連の設備販売は堅調だったが、石油プラント用設備や海外向けプラント用設備の大口案件が減少し、アジアの電子部品実装関連設備の販売も減少して減収減益だった。なお配当予想は同3円増配の年間18円(第2四半期末10円、期末8円)(第2四半期末に創立65周年記念配当3円を含む)とした。   セグメント別売上高はプラント・エネルギー事業が同17.4%減の283億43百万円、エレクトロニクス事業が同0.3%増の303億40百万円、産業機械事業が同5.3%増の365億14百万円、海外法人が同4.6%減の244億97百万円、その他が同27.4%減の24億06百万円だった。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比14.7%増の1400億円、営業利益が同22.7%増の50億円、経常利益が同16.2%増の52億円、純利益が同30.1%増の32億円、受注高は同14.2%増の1450億円としている。   自動車関連は国内外で設備投資需要が高水準であり、前期低調だったプラント関連や電子部品実装関連の需要回復も期待されるだろう。なお配当予想は年間16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。前期との比較では2円減配だが、前期実施した創立65周年記念配当3円を考慮すると、普通配当ベースでは1円増配だ。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げる展開となり、4月11日に直近安値となる416円まで調整した。その後は概ね430円近辺で推移する展開だったが、5月9日の取引時間中に発表した今期大幅増収増益見通しを好感する形で、5月9日は終値で前日比11円高、5月12日は終値で前日比12円高と反発して440円台まで戻した。好業績を評価して下値固めが完了したようだ。   5月12日の終値447円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円37銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は3.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS586円85銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると、戻りを押さえていた25日移動平均線と75日移動平均線を一気に突破した。さらに週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して、26週移動平均線も突破の動きを強めている。指標面の割安感も支援材料であり、強基調に転換して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
機械専門商社の第一実業の株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、足元では下値固め完了感を強めている。
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2014-05-13 09:15