【為替本日の注目点】米株大幅続伸ドル円102円前半、米金利反発でドル買戻し
NY市場
東京時間で102円に乗せたものの、上値が重い展開だったがNY時間では日本の経常黒字額が過去最小を記録したことや、米長期金利の上昇で円売りが勝った。ドル円は102円19銭まで上昇し、102円15銭前後で引ける。
ユーロドルは動かず。先週末の1.3745からはやや買い戻しが見られたものの、ECBのコンスタンシオ副総裁が、最近のユーロ高はインフレ率に大きく影響していると発言したことを手がかりに小幅に下落した。
株式市場は大幅に続伸。M&Aが活発なことやハイテク株が上昇したことなどで株価は終始上昇し高値引け。ダウは112ドル高と初の1万6600ドル台乗せ。
債券相場は続落。株価の大幅高が重石となり、売りもの優勢の展開。長期金利は約2週間振りに2.66%台まで上昇。
金は5日ぶりに反発し、原油は小幅に上昇。
4月財政収支 → 1069億ドルの黒字
ドル/円 101.92 ~ 102.19
ユーロ/ドル 1.3753 ~ 1.3773
ユーロ/円 140.29 ~ 140.62
NYダウ +112.13 → 16,695.47ドル
GOLD +8.20 → 1,295.80ドル
WTI +0.60 → 100.59ドル
米10年国債 +0.041 → 2.661%
本日の注目イベント
日 4月マネーストック
中 中国 4月小売売上高
中 中国 4月工業生産
独 独5月ZEW景況感指数
欧 ユーロ圏5月ZEW景況感調査
米 4月小売売上高
米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
ドル円もユーロドルも大きな値動きはなく、全体的にはややドルが買い戻された格好です。4月の財政収支は1069億ドルの黒字だったものの、歳出の伸びが大きかったことで市場予想を下回りましたが、大きな影響はありませんでした。
米国の株価が堅調で昨日はダウ、S&P500ともに史上最高値を更新し、特にダウは1万6700ドルに迫る水準まで上昇し、日本の株式市場とは大きく異なる動きを見せています。この日の材料は、通信大手のAT&Tが米国最大の衛星放送事業者のディレクTVと買収交渉を進めているという報道でした。ブルームバーグによると、買収額は約500億ドル(約5兆1000億円)となる可能性もあり、大型のM&Aが市場に好影響を与えています。
注目のウクライナでは東部のドネツク州で、新ロシア派が「主権国家」を宣言しました。住民投票で9割が「自立」を承認したとしてウクライナ政府からの独立を宣言したものですが、EUは12日の外相理事会で、クリミアに拠点を置く企業を初めて制裁対象とすることを決定しています。ドネツク州の新ロシア派はこの結果を受けてロシアへの編入を目指すと表明しているものの、ロシア政府は今のところ慎重な姿勢を崩してはいません。
このようにウクライナ情勢は混沌としており、今後は25日の大統領選が焦点になります。現時点では為替の影響は徐々に薄れてきていますが、それはロシアが静観を決め込んでいることが背景で、ロシアの今後の対応次第では再び円買いが進むことも予想されます。
ドル円は102円20銭前後まで上昇したことで、昨日の東京時間では上値を抑えられていた「1時間足」の200日線を抜けて来ました。ただ、今度は「4時間足」の200日線で上値を抑えられている状況です。5月2日の雇用統計をピークに101円43銭までドル安円高が進みましたが、結局米長期金利も2.6%割れから反発したことでドル円も緩やかに上昇したことになります。
ドル円は依然として方向感もなく、ボラティリティーも低水準で推移していることからレンジを抜けきれない状況です。101円~103円のレンジ取引も長期間にわたっているため市場のエネルギーもかなり溜まっているはずです。いつ大きく動き出してもいいはずですが、そのきっかけがなかなか見つからないのが現状でしょうか。注意は怠らず、市場と向き合う姿勢が求められます。本日の予想レンジは101円70銭~102円50銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
東京時間で102円に乗せたものの、上値が重い展開だったがNY時間では日本の経常黒字額が過去最小を記録したことや、米長期金利の上昇で円売りが勝った。ドル円は102円19銭まで上昇し、102円15銭前後で引ける。
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2014-05-13 09:30