新株価指数先取りでカラオケ関連株にUSEN、第一興商を追撃の掘り起こし妙味=浅妻昭治

<マーケットセンサー>   米国から早めのクリスマスプレゼントが届いた。送り主は、サンタクロースならぬFRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長である。12月18日に市場の多数派が、年明け以降と踏んでいた量的緩和策の縮小を決定したが、買い入れ規模の縮小幅が100億ドルと小幅にとどめたプレゼントである。おかげでNYダウの連日の史上最高値更新はもちろん、為替相場は大幅な円安、日経平均株価も、ついに5月24日のザラ場高値を上抜き年初来高値更新となった。これでわが東京市場も、きょう25日の年内最終商い、明26日売買分からのキャピタルゲイン課税の20%へのアップなどゴタゴタはあるものの、残り4日間の年内相場の「掉尾の一振」や年明けの新春相場への期待が、嫌でも応でも高まることになった。   「終わり良ければすべて良し」である。この「掉尾の一振」の景気付けに、年明けには、今度は日本銀行の黒田東彦総裁の異次元緩和策の追加のお年玉でもあれば、さぞかし1日遅れのクリスマスパーティーや今年最後の年越しの忘年会、さらに来年の新年会まで「勝った、勝った」のお祝いムードに溢れ返ることだろう。このクリスマスパーティー、忘年会、新年会の二次会、三次会といえば、カラオケスナック、カラオケルームに繰り出して一段と盛り上がるのがお決まりのコースとなる。ということになれば、カラオケ関連株が、「掉尾の一振」や「お年玉相場」の特需を取り込むシーズン・ストックとして注目されることになるが、同関連株の注目ポイントは、これだけにとどまるものではない。   このうち最大の投資ヒントになるのが、USEN <4842> (JQS)と第一興商 <7458> (JQS)の株価動向である。両社株は、カラオケ関連株として共通しているが、もう一つの共通項があるからだ。日本取引所グループ <8697> と日本経済新聞などが開発した新株価指数「JPX日経インデックス」の構成銘柄に揃って選定されたのである。400銘柄を数える新指数の構成銘柄のうち、386銘柄が東証1部株で、東証2部株が1銘柄、新興市場株が13銘柄の内訳で、この新興市場株のうち2銘柄がカラオケ関連株という妙な符合があるのである。   同指数は、企業が自己資本を使ってどのくらい効率的に儲けているかを示す自己資本利益率(ROE)を選定基準に活用した世界でも例のないもので、来年1月6日から算出が開始されるが、政府の有識者会議でも、約120兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に同指数を利用して株式運用への資産配分を拡大するように指摘する報告書をまとめた。また来年1月からスタートする少額投資非課税制度(NISA)でも、個人投資家が、同指数連動の投資スタンスを強めるとみられ、資産運用大手各社は、相次いで連動型の投資信託の設定や上場投資信託(ETF)の上場を計画していると伝えられている。   こうしたバックグラウンドから来年相場ではGPIFやNISAから巨額の新規資金が流入するとも観測されており、選定された構成銘柄を押し上げる展開が有力となる。このシナリオ通りにUSEN、第一興商の株価が、上昇するなら、ツレてカラオケ関連株にも連想買いが強まる可能性が高まる。もちろん両社株が構成銘柄に選定されたのは、前期基準のROEでUSENが43.2%、第一興商が13.3%と高いことが評価されたものだが、カラオケ関連株には両社に勝らずとも劣らない効率経営を続けている銘柄は少なくなく、新指数関連の裏銘柄として好パフォーマンスが期待でき、先取り妙味が見込まれるはずだ。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
米国から早めのクリスマスプレゼントが届いた。送り主は、サンタクロースならぬFRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長である。
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2013-12-25 10:45