機密漏洩防止「新技術」システムのサービスを6月開始=UBIC
ビッグデータ解析事業を手掛けるUBIC(本社・東京都港区)は、同社独自の人工知能である「バーチャルデータサイエンティスト」を搭載した「Lit i View EMAIL AUDITOR(リットアイビュー・イーメールオーディター)」の活用により企業の機密文書漏洩(ろうえい)を防ぐサービスを6月1日に開始する。「Lit i View EMAIL AUDITOR」の活用については5月14-16日に東京ビッグサイトで開催される「第11回情報セキュリティEXPO【春】」での同社出展ブースでも紹介する。
情報流出のために企業が極めて大きなダメージを受ける事例が後を絶たない。防止のための法整備も進み、労働契約の面からの従業員としての義務の盛り込み、社内データへのアクセス権限の設定などの対策をとる企業も増えているが、UBICによると「一定の抑止効果があるものの、決定性を欠いているのが実情」という。
UBICは、情報漏洩は「醸成」、「準備」、「実行」の3段階で構成されていると認識。電子メール自動鑑査システム「Lit i View EMAIL AUDITOR」の利用で、独自の人工知能が「醸成」段階で兆候を発見・監査し、近い将来に発生しうる情報漏洩の予兆をいち早く察知し、有効な対策実施に結びつけることが可能という。
「Lit i View EMAIL AUDITOR」は、「情報漏洩行動予兆」と「機密情報認識」の2つの機能を搭載している。
「情報漏洩行動予兆」は、情報漏洩の第1段階と考えられる情報漏洩発生の可能性が高まる状態を指す。人間関係の問題、待遇への不満、転職などを原因として、情報漏洩が起こりやすい状況が発生する。「情報漏洩行動予兆」では、典型的な行動をあらかじめ学習したナレッジベースを活用し、監査人が状況を判断。監査人の判断を人工知能が学習することで、より賢いナレッジベースを日々、自動で作り上げることが可能という。
同機能は、コミュニケーションを分析することで情報漏洩発生の予兆を早期発見するものであり、分析により特定された人物を調査することで、情報漏洩の「準備」が疑われる行動を早い段階で見つけ出すことができるという。
「機密情報認識」とは、機密情報として管理されているファイルを人工知能による学習する機能を指す。機密ファイルを登録することで、「Lit i View EMAIL AUDITOR」はファイルの内容を自動学習し、同一ファイルだけでなく類似ファイルも抽出することができる。
これまでの手法では、設定されたファイルのみが機密情報として認識されることになり、設定外である場合には見落とされることがあった。「Lit i View EMAIL AUDITOR」のシステムではすべてのファイルの内容を人工知能が読み取り、機密性の高いファイルが添付されたメールや、引用された文章も迅速に抽出することができる。そのため、従来あった「見落とし」を防ぐことが可能になる。
監査の結果、要注意とされたメールアドレスに対し「Central Linkage(セントラルリンケージ)」という人間関係を可視化する機能を適用することで、メールの会話内容から見逃していた関係者を新たに見つけることが可能だ。同機能は、個人間の関係だけでなく、取引先などとの企業単位でのメールのやりとりも分析することができる。
「情報漏洩行動予兆」、「機密情報認識」ともに、UBICの長年にわたる豊富な調査実績と、調査でつちかった膨大なデータの解析、研究成果を土台にしたナレッジベースにもとづく機能という。
UBICは5月14-16日に東京ビッグサイトで開催される「第11回情報セキュリティEXPO【春】」での出展ブースで、「Lit i View EMAIL AUDITOR」の活用についてのセミナー2種「人工知能を応用したシステムによる高精度で低コストなEメール・ビッグデータ監査手法」と「人工知能応用技術を活用した監査システムを支える基礎技術」を開催する。
「人工知能を応用したシステムによる高精度で低コストなEメール・ビッグデータ監査手法」では「Lit i View EMAIL AUDITOR」がどのような仕組みで自動監査を行うかを中心に、「人工知能応用技術を活用した監査システムを支える基礎技術」では、従来なかった監査システムを支える基礎技術と、研究開発したチームとその背景などを紹介する。(編集担当:中山基夫)
ビッグデータ解析事業を手掛けるUBIC(本社・東京都港区)は、同社独自の人工知能である「バーチャルデータサイエンティスト」を搭載した「Lit i View EMAIL AUDITOR(リットアイビュー・イーメールオーディター)」の活用により企業の機密文書漏洩(ろうえい)を防ぐサービスを6月1日に開始する。
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2014-05-13 09:45