中国「高汚染」自動車、政府が「国4基準」で規制するも・・・不正横行で厳しい現状=中国メディア

中国では自動車などの排ガスが大気汚染を引き起こしている原因の1つとされており、中国政府は2013年7月より自動車から出る汚染物質の削減を義務付ける基準を定め、施行を開始した。施行から約10カ月が経過したことを受け、中国国営の中国中央電視台(CCTV)が市場の調査を行ったところ、基準を満たしていない「高汚染車」が今なお堂々と販売されていることが分かった。中国財経信息網が12日付で報じた。
中国政府は13年7月1日、自動車などの排ガスに含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質の4種の物質について、規定の数値以下に抑えるよう定めた「国家第4段階機動車汚染物排出標準(国4基準)」を中国全土で施行した。
施行によって国4基準を満たしていない自動車は、販売や登記ができないことになったが、市場では国4基準を満たしていることを証明する「合格証」がありながらも、実際は基準をまったく満たしていない自動車が堂々と販売されているという。
国4基準に違反する自動車を販売していた上海の自動車販売店の関係者は、「国4基準を満たしていない自動車は、基準を満たしている自動車に比べて2万元(約32万7653円)ほど安く、尿素によって窒素酸化物を取り除くための装置が備え付けられていない」と語った。
関係者によれば、国4基準を満たした自動車の場合、ディーゼルオイル200元(約3276円)あたり10元分(約163円)の尿素が必要となり、「物流などで使用される自動車にとっては、尿素の補給だけでも年間のコストは数万元も変わってくる」とし、国4基準を満たしていない自動車のほうが需要は大きいと語った。
さらに、中国最大のディーゼル車市場である河北省での取材結果として、同省内では国4基準を満たしていないディーゼル車が「国4基準の合格証取得車」として堂々と販売され、「その大多数は排ガス処理装置も備え付けられていなかった」と報じた。さらに河北省内の自動車販売店の関係者の話として、中国全土で国4基準の監視を厳格に実施しているのは北京市だけとし、「ほかの都市では厳格な管理が行われおらず、合格証に“国4基準”とさえ書けば、それだけで登録が可能だ」と語り、不正が横行している現状を明かした。
記事は「大気汚染の防止に向けた計画が中国全土で実施されている中、国が生産や販売を明確に禁止したはずの“排出基準を満たしていない自動車”が今も市場に投入されている」とし、中国の大気汚染防止に向けた取り組みが厳しい状況に直面していると指摘した。(編集担当:村山健二)(写真は「CNSPHOTO」提供)
中国では自動車などの排ガスが大気汚染を引き起こしている原因の1つとされており、中国政府は2013年7月より自動車から出る汚染物質の削減を義務付ける基準を定め、施行を開始した。(写真は「CNSPHOTO」提供)
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2014-05-13 11:00