中国で「農民工」が増加、背景には「収入の差」・・・一方で賃金不払いも増加=国家統計局

中国国家統計局が5月に発表した調査リポートによれば、2013年、農村部出身で農業をせず、企業などで賃金労働をするいわゆる「農民工」の人口は前年から2.4%増え、約2億6894万人となった。このうち都市部で出稼ぎをする「外出農民工」は前年比1.7%増の約1億6610万人で、約274万人増えた。
同調査レポートによれば、外出農民工の平均月収は前年比で13.9%増の2609元(約4万3000円)だという。農村住民の平均純収入を、中国国家統計局が2月に発表したリポートから試算すると、約741元(約1万2000円)であることから、外出農民工の平均収入は税金などを差し引いたとしても、農村住民よりも多いことが推察できる。これは出稼ぎの人が増え続けている一因としてみられている。
ただ、都市部の物価は一般に農村部よりも高く、物価上昇に伴って支出も増えている。13年に外出農民工1人当たりの1カ月の支出は前年比21.7%増の892元(約1万4000円)だった。このうち、住居関連の支出は前年から27%も増え、453元(約7400円)となっている。
都市部の生活はただでさえ出費がかさみ、加えて出稼ぎ者は故郷に残した子どもたちなど、家族の面倒も見なければならない。こうした人々をさらに苦しめているのが、賃金不払いの問題だ。13年に不払いの被害を受けた農民工の割合は0.8%で、前年より0.3ポイント増えた。0.8%というと少ないようだが、人数で表すと約200万人に上る。
賃金不払いの被害を受けた農民工の割合は近年、08年の4.1%から減り続けていたが、昨年再び増加した。これは労使の契約がいまだ重要視されていないことが背景にあるとみられている。(編集担当:古川弥生)(写真は「CNSPHOTO」提供)
中国国家統計局の調査リポートによれば、2013年、農村部出身で農業をせず、企業などで賃金労働をするいわゆる「農民工」の人口は前年から2.4%増え、2億6894万人となった。(写真は「CNSPHOTO」提供)
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2014-05-14 08:30