セプテーニHDは反発のタイミング、通期ベースで増収増益基調
ネット広告代理店のセプテーニ・ホールディングス <4293> (JQS)の株価は、5月1日発表の第2四半期累計業績を受けて急落した。四半期ベースでの第3四半期営業減益見通しが嫌気されたようだ。しかしネット広告市場の拡大を背景として通期ベースでの増収増益基調に変化はなく、売られ過ぎ感を強めている。目先的な売りが一巡して反発のタイミングだろう。
ネット広告販売やウェブソリューションなどで包括的なマーケティング支援サービスを提供するネットマーケティング事業を主力として、ソーシャルゲーム・書籍・動画・占いなどデジタルコンテンツ企画・開発・販売のメディアコンテンツ事業も展開している。
ネットマーケティング事業ではフェイスブック関連に強みを持ち、スマートフォンとソーシャルに注力して業容を拡大している。メディアコンテンツ事業では、ソーシャルゲーム関連をネイティブアプリの協業や受託開発にシフトするとともに、新規分野としてマンガコンテンツ関連に積極投資する方針だ。海外は米国、シンガポールで本格事業展開の基盤構築を進め、14年には英国と韓国にも営業拠点を開設した。
マンガコンテンツ関連の子会社コミックスマートは、13年12月から連載型の新作マンガ配信サービス「GANMA(ガンマ)」の提供を開始し、4月28日には30万ダウンロードを達成したと発表している。
5月1日に発表した今期(14年9月期)第2四半期累計(10月~3月)の業績は売上高が前年同期比19.2%増の267億79百万円、営業利益が同67.9%増の12億93百万円、経常利益が同56.8%増の13億80百万円、純利益が同7.1%増の7億89百万円だった。純利益は特別利益の一巡で小幅な伸びにとどまったが、スマートフォン広告を主力とするネットマーケティング事業の好調が牽引して大幅増収、大幅営業増益となり、売上高、各利益とも計画を超過達成した。
セグメント別に見ると、ネットマーケティング事業は売上高が同24.4%増の236億85百万円、営業利益が同48.9%増の14億76百万円だった。大型案件の増加や顧客単価の上昇も寄与してスマートフォン広告の取扱高が大幅に伸長した。フェイスブック関連の好調や海外事業展開の本格化も寄与した。メディアコンテンツ事業は売上高が同5.7%減の17億29百万円、営業利益が77百万円の赤字(前年同期は1億42百万円の赤字)だった。マンガコンテンツ事業などの先行投資負担を吸収して営業赤字幅が縮小した。
四半期別に見ると、第2四半期(1月~3月)は第1四半期(10月~12月)との比較で13.7%増収、10.4%営業減益だった。売上高は四半期ベースで過去最高だった。営業利益は、ネットマーケティング事業で第1四半期に一時的な売上総利益押し上げ要因が発生したため、第1四半期との比較では減益となったが、利益水準は第1四半期に次ぐ過去2番目だった。
業績見通しは四半期ベースの開示としている。今期(14年9月期)第3四半期累計(10月~6月)連結業績見通しは、売上高が前年同期比18.4%増の402億79百万円、営業利益が同50.2%増の16億43百万円、経常利益が同42.3%増の17億40百万円、純利益が同10.8%増の10億09百万円としている。
四半期ベースで見ると、第3四半期(4月~6月)は第2四半期(1月~3月)との比較で5.2%減収、42.7%営業減益見通しとなる。ネットマーケティング事業は増収増益基調だが、4月の新入社員入社などで例年どおり人件費などの販管費が増加すること、メディアコンテンツ事業で先行投資に伴って営業赤字幅が拡大することが、営業減益の主因としている。
ただし、ネットマーケティング事業はスマートフォン広告売上、ソーシャル関連売上、海外売上が好調に推移して全体収益を牽引する。メディアコンテンツ事業ではモバイルゲーム関連が堅調のようだ。通期ベースでの増収増益基調に変化はないだろう。
株価の動きを見ると、5月1日の第2四半期累計業績発表を受けて、戻り高値圏の5月1日終値1342円から急落の展開となった。第3四半期の営業減益見通しが嫌気されたようだ。5月12日には2月安値1061円を割り込んで1043円まで下押す場面があった。ただし5月13日には前日比70円高の1113円まで反発する場面があり、目先的な売り一巡感を強めている。
5月13日の終値は1058円だった。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が17~18%まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る形となった。目先的な売りが一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ネット広告代理店のセプテーニ・ホールディングス<4293>(JQS)の株価は、5月1日発表の第2四半期累計業績を受けて急落した。
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2014-05-14 09:15