新和内航海運は減益見通しで急落、売り一巡して反発のタイミング

  新和内航海運 <9180> (JQS)の株価は、4月30日に発表した今期(15年3月期)減益・減配見通しを嫌気して急反落した。ただし内航海運事業の輸送量は復興関連を中心に高水準推移が予想される。会社予想は保守的な印象が強く、売り一巡して反発のタイミングだろう。指標面の割安感も支援材料だ。   NSユナイテッド海運 <9110> の子会社である。鉄鋼メーカー向けの原料炭・石灰石・鋼材、電力向けの石炭、建設向けのセメントなどを輸送する内航海運事業を主力として、港湾運送事業やLPGタンクローリー等輸送事業なども展開している。   4月30日に発表した前期(14年3月期)連結業績は、売上高が前々期比10.4%増の210億42百万円、営業利益が同59.7%増の18億70百万円、経常利益が同53.6%増の18億05百万円、純利益が同48.6%増の11億59百万円だった。   震災復興や景気回復に伴って鉄鋼関連、セメント関連、石炭火力発電関連の輸送が高水準だった。運行効率向上や諸経費削減などの効果も寄与した。なお配当予想は、前回予想から5円増額して年間20円(期末一括)(普通配当5円+特別配当15円)とした。前々期との比較では8円増配となる。   セグメント別に見ると、内航海運事業は売上高が同10.6%増の204億30百万円、調整前営業利益が同59.8%増の17億98百万円だった。専用船では震災復興関連のセメント専用船、石炭火力発電向け石炭灰運搬船の稼働が高水準に推移した。石灰石専用船や一般船による鋼材・鉄鋼原料などの輸送も順調だった。その他事業は売上高が同5.1%増の6億11百万円、営業利益が同62.1%増の69百万円だった。LPG輸送・石油製品輸送が伸び悩んだが、港湾運送事業は取扱業務量が堅調だった。   今期(15年3月期)連結業績見通しについては、売上高が前期比3.6%増の217億92百万円、営業利益が同25.9%減の13億86百万円、経常利益が同26.3%減の13億30百万円、純利益が同30.8%減の8億02百万円としている。配当予想は同10円減配の年間10円(期末一括)とした。   鉄鋼関連、セメント関連、石炭火力発電関連の輸送量が引き続き高水準に推移して増収見込みだ。利益については燃料価格上昇や人件費増加などで減益見通しとしているようだ。ただし会社予想には保守的な印象が強い。輸送量は高水準推移が予想され、増収効果、運行効率向上効果、諸経費圧縮効果などでコストアップ要因吸収も可能だろう。   株価の動きを見ると、4月30日に発表した今期の減益・減配見通しを嫌気する形で、4月25日終値530円から5月1日に450円まで急反落する場面があった。その後も直近安値圏で推移し、5月13日には445円まで調整した。   5月13日の終値445円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS74円44銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS663円52銭で算出)は0.7倍近辺である。   週足チャートで見ると窓を空けて急落し、52週移動平均線を割り込んで調整局面だ。ただし13年夏にモミ合った450円近辺のレンジが下値支持線となりそうだ。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。指標面には割安感があり、売り一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
新和内航海運<9180>(JQS)の株価は、4月30日に発表した今期(15年3月期)減益・減配見通しを嫌気して急反落した。
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2014-05-14 09:15