【為替本日の注目点】NY株高がドル円下支えも上値は重い、ユーロドル一段と下落

 NY市場  米4月の小売売上高が予想を下回ったことでドル円は下値を試したが102円台は維持。上値も102円35-40銭近辺が重く、もみ合い。  ユーロドルはじり高が続き1.37台後半まで上昇したが、ドイツの景況感指数が5ヶ月連続で低下したため、ECBによる追加緩和観測が広がり下落。ユーロドルは4月4日以来の1.36台後半まで下落し、ユーロ円も一時140円台を割り込む。  株式市場はまちまちながら、ダウは5日続伸し、3日連続で史上最高値を更新。一方ナスダックは13ポイント下げる。  債券相場は反発。小売売上高が市場予想に届かなかったことから30年債が上昇を牽引した。長期金利はやや低下して2.61%台に。  金は反落し、原油は続伸して101ドル台に。  4月小売売上高 → +0.1%  ドル/円 102.06 ~ 102.36  ユーロ/ドル 1.3689 ~ 1.3730  ユーロ/円 139.98 ~ 140.31  NYダウ +19.97 → 16,715.44ドル  GOLD ー1.00  → 1,294.80ドル  WTI +1.11 → 101.70ドル  米10年国債 -0.05  → 2.611%  本日の注目イベント  欧   ユーロ圏3月鉱工業生産  英   BOE、四半期物価報告発表  英   4月失業率  米   4月生産者物価指数  先週木曜日のドラギ総裁の記者会見を境に下落基調が続いているユーロは、急落後の反発は見られたものの戻りは限定的で再び下げ足を速めています。昨日は5月のドイツZEW景況感調査が33.1と、市場予想の40を大きく下回ったことでユーロ売りが加速しました。  この経済指標はこれで5ヶ月連続で低下しており一部には、ユーロ圏の景気牽引役だったドイツ経済にも息切れが見え始めたのではといった見方もあるようです。この指標を受けて、6月のECB理事会では追加緩和に踏み切りやすいとの観測からユーロが対ドルや円に対して売られました。  また、ブルームバーグによると、米紙ウォールストリート・ジャーナルが、ECBが2016年のインフレ率見通しを下方修正すれば、ドイツ連銀は来月の緩和策実施を前向きに支持する姿勢を示したと報じており、この報道もユーロ売りにつながったと見られます。ユーロドルは一時1.3689まで下落し、約6週間ぶりの安値をつけ、ユーロ円も一時140円を割り込んでいます。  ドラギ総裁は先週、6月の行動をとることに関して政策委員会はやぶさかではないと発言しましたが、同時に6月5日の金融政策決定前までにまとまる予定の最新のスタッフ見通しが注目されることも付け加えています。多くの経済指標を分析した上で決定するということのようですが、一方でマイナス金利や、債券購入などを含む様々な措置を講じることに否定的ではないものの、何も決定されていないといった見方もあるようです。(ブルームバーグ)  ユーロの値動きを見ると、「6月行動説」を徐々に織り込んでいるようです。そろそろ「口先介入」も限界だということでしょう。ユーロ円は140円近辺に「雲の下限」(日足)があり、ここ数日の下落はこの「雲」によって支えられたように見て取れます。しかし、この「雲」が完全に下抜けした際にはサポートするものが見当たらず、「200日線」が137円75銭近辺にあるだけです。注意は必要です。  ドル円は米長期金利が低下したにもかかわらず102円台で堅調に推移しています。昨日のNYでは、長期金利ではなく株価に反応したものと思われ、NYダウが3日連続で史上最高値を更新したことで「リスクオン」の流れが優勢だったと見られます。また上述のように、ユーロドルで「ドル高」が進んだこともドル円を下支えしたと思われます。  それでもドル円は102円35-40銭あたりが重そうに見えます。株価の上昇があったとしても、やはり米長期金利の上昇という好材料がないと103円には向かい切れないといった状況です。101円台割れのリスクはやや後退したものの、まだ下落リスクは払拭できてはいません。予想レンジは101円70銭~102円70銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米4月の小売売上高が予想を下回ったことでドル円は下値を試したが102円台は維持。上値も102円35-40銭近辺が重く、もみ合い。
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2014-05-14 09:15