リオンは4月安値圏から反発して下値切り上げ、出直り本格化
補聴器首位のリオン <6823> の株価は、4月安値圏から反発して下値切り上げの動きを強めている。今期(15年3月期)の増収増益見通しを評価して出直りの動きが本格化しそうだ。
医療機器事業(補聴器や医用検査機器など)および環境機器事業(音響・振動計測器や微粒子計測器など)を展開し、高機能・高付加価値製品の開発・販売を強化している。補聴器では最上位クラス「リオネットマジェス」、中価格帯「リオネットプレシア」、エントリーモデル「リオネットプレシアV」、低価格のポケット型デジタル補聴器など、商品ラインナップの充実を推進している。
なお5月9日には、東海道新幹線開業50周年を記念した東海旅客鉄道<9022>「リニア・鉄道館」における特別展示において、当社の地震計が展示されることになったと発表している。展示期間は5月21日~11月24日である。
4月30日に発表した前期(14年3月期)の連結業績(4月18日に増額修正)は、売上高が前々期比7.5%増の185億10百万円、営業利益が同26.6%増の21億91百万円、経常利益が同30.0%増の22億41百万円、純利益が同24.0%増の13億16百万円だった。医療機器事業、環境機器事業とも好調に推移し、各利益とも2期連続の最高益となった。配当予想は同3円増配の年間25円(第2四半期末11円、期末14円)とした。
セグメント別に見ると、医療機器事業は売上高が5.5%増の112億93百万円、営業利益が同15.5%増の14億50百万円だった。補聴器は製品ラインナップ充実や販売促進施策の効果で増収だった。医用検査機器は医療機関における比較的高額の診断用オージオメータなどの買い替え需要が継続したことに加えて、大学・総合病院の予算執行の確実な捕捉なども寄与して大幅増収だった。
環境機器事業は売上高が同11.0%増の72億16百万円、営業利益が同56.0%増の7億41百万円だった。音響・振動計測機は官公庁の環境騒音計測システムの大型案件受注に加えて、自動車業界向け性能検査・試験用振動計などが好調だった。国内の薬液メーカー向けや海外の電子デバイス関連の液中微粒子計も大幅に増加した。
今期(15年3月期)の連結業績見通しについては売上高が前期比1.6%増の188億円、営業利益が同4.9%増の23億円、経常利益が同2.6%増の23億円、純利益が同6.4%増の14億円としている。配当予想は前期と同額の年間25円(第2四半期末12円、期末13円)とした。
医療機器事業では、医用検査機器は医療機関の設備需要一巡の影響を受けるが、補聴器は最上位クラス「リオネットマジェス」や中価格帯「リオネットプレシア」を中心に堅調な推移を見込んでいる。環境機器事業は、国内外の高水準の設備投資需要を背景として堅調な推移を見込んでいる。
セグメント別計画を見ると、医療機器事業は売上高が同微増の113億円、営業利益が同3.5%増の15億円、環境機器事業は売上高が同3.9%増の75億円、営業利益が同8.0%増の8億円としている。期初時点では保守的な会社見通しを公表する傾向も強いだけに、上振れ余地があるだろう。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して4月15日に1331円まで調整したが、2月安値1320円を割り込まずに反発し、4月18日発表の前期増額修正を好感して1500円台を回復した。さらに足元では1500円台半ばまで戻している。調整が一巡して今期増収増益見通しを評価する動きだろう。
5月14日の終値1542円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円52銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1205円37銭で算出)は1.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。26週移動平均線を突破すれば上げ足に弾みがついて出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
補聴器首位のリオン<6823>(東1)の株価は、4月安値圏から反発して下値切り上げの動きを強めている。
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2014-05-15 09:00