神鋼商事は今期増収増益見通しを評価して1月高値試す

  鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事 <8075> の株価は4月安値圏から反発し、さらに今期(15年3月期)増収増益見通しを好感して急伸した。足元は利益確定売りで上げ一服の形だが、目先的な過熱感が解消して1月高値を試す展開だろう。指標面の割安感も支援材料だ。   鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期~16年3月期)では、数値目標として16年3月期の売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。神戸製鋼所 <5406> グループの中核となるグローバル商社を目指して、グローバルビジネスを加速させる方針だ。   14年3月には、メキシコにおける線材二次加工拠点(冷間圧造用鋼線製造・販売)としての合弁会社設立について、当社、神戸製鋼所、メタルワン、大阪精工、米Republic Steelの5社共同で検討を開始すると発表した。15年半ばの稼動を目指して事業計画に関する協議・検討を行う。   また4月28日には、筒中金属産業が新設分割で設立する国内卸売事業会社の株式70%を取得(14年7月予定)して子会社化すると発表した。筒中金属産業は自動車および液晶・半導体装置分野に多くの優良顧客を有しており、子会社化することによって非鉄金属部門の収益力を強化する。   4月28日に発表した前期(14年3月期)の連結業績(9月13日に売上高、営業利益、純利益を減額、経常利益を増額)は、売上高が前々期比9.3%増の8409億45百万円、営業利益が同5.1%増の57億36百万円、経常利益が同9.4%増の53億18百万円、純利益が同68.0%増の31億60百万円だった。世界的な景気回復も背景に、グローバルビジネス展開強化の効果で増収増益だった。純利益は過年度法人税の一巡も寄与した。配当予想は前々期と同額の年間6円(第2四半期末3円、期末3円)とした。   セグメント別売上高を見ると、鉄鋼は鋼板・線材・棒鋼が国内外で好調に推移して同11.6%増の2844億60百万円、鉄鋼原料は国内粗鋼生産量の回復などで同9.9%増の3285億29百万円、非鉄金属は自動車用や空調用の銅製品が好調に推移して同12.6%増の1781億09百万円、機械・情報は大型案件の一巡などで同3.4%減の596億69百万円、溶材は造船向け溶接材料の減少などで同2.4%減の369億31百万円だった。   今期(15年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比11.8%増の9400億円、営業利益が同22.0%増の70億円、経常利益が同20.3%増の64億円、純利益が同26.6%増の40億円としている。世界的に自動車生産や粗鋼生産が高水準であり、前期は大型案件一巡の影響を受けた機械・情報も設備投資需要が回復するだろう。グローバル展開強化の効果で好業績が期待される。   株価の動きを見ると、4月15日の直近安値191円から反発し、4月28日は今期増収増益見通しを好感して前日比34円(16.59%)高の239円まで急伸し、1月高値243円に接近する場面があった。その後は目先的な過熱感を強めたこともあり、利益確定売りで上げ一服の形だが、大きく下押す動きは見られない。足元では目先的な過熱感が解消して再動意の構えを見せている。   5月14日の終値224円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円17銭で算出)は5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.7%近辺、そして前期実績PBR(前期実績の連結BPS399円53銭で算出)は0.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が縮小して目先的な過熱感が解消した。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して強基調に転換した形であり、過熱感を冷ますための自律調整が一巡して1月高値243円を試す展開だろう。指標面の割安感も支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事<8075>(東1)の株価は4月安値圏から反発し、さらに今期(15年3月期)増収増益見通しを好感して急伸した。
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2014-05-15 09:00