【為替本日の注目点】円強含みでユーロ円急落、ECB高官発言で下値切り下げか
NY市場
ドル円は欧州時間の朝方102円を割り込み、クロス円の下落とあいまって下げ幅を拡大、一時101円72銭までドル安が進む。NY市場では米長期金利の低下が進んだことで上値は押さえられ101円台後半でもみ合う。
ユーロドルは1.37台割れを試したものの底堅く、1.37台前半で小動き。ユーロ円が139円台半ばまで下落したが、ドル円が円高に振れたことによる影響が大きい。
利上げ観測が高まっているポンドは、BOEが来年まで利上げを控える方針を示唆したことで1.68台後半から100ポイントほど急落。
株式市場は反落。ダウは6日振りに反落したが、3日連続で最高値を更新していただけに、この日の下落は想定内との声も。ダウは101ドル下落し、ナスダックも29ポイントマイナス。
債券相場は続伸。ECBが緩和策を進めるとの観測が高まっていることもあり、株安から資金が債券市場に向かった。10年債利回りは約半年振りに2.54%台まで低下。
ドル安が進んだことで金は反発し、1300ドル台を回復。原油は3日続伸。
4月生産者物価指数 → +0.6%
ドル/円 101.73 ~ 101.94
ユーロ/ドル 1.3703 ~ 1.3723
ユーロ/円 139.46 ~ 139.74
NYダウ -101.47 → 16,613.97ドル
GOLD +11.10 → 1,305.90ドル
WTI +0.67 → 102.37ドル
米10年国債 -0.063 → 2.548%
本日の注目イベント
日 1-3月GDP(速報値)
欧 ECB月例報告
欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(改定値)
欧 ユーロ圏1-3月期GDP(速報値)
欧 仏1-3月期GDP(速報値)
欧 独1-3月期GDP(速報値)
欧 伊1-3月期GDP(速報値)
米 5月NY連銀製造業景況指数
米 4月消費者物価指数
米 4月鉱工業生産
米 新規失業保険申請件数
米 5月NAHB住宅市場指数
米 5月フィラデルフィア連銀景況指数
米 イエレン・FRB議長講演
ユーロ円が2ヶ月半振りに139円台半ばまで急落しました。昨日この欄で、140円前後にある「雲の下限」を割り込んだら下落する可能性があると書きました。東京タイムではそれでも140円に近づくと反発する展開で、やはり140円は底堅い雰囲気もありましたが、欧州市場が参入し、しばらくすると140円を割り込み、その後はほとんど戻りもなく139円45銭近辺までユーロ安が進みました。やはり1年振りに重要な「120日線」を下抜けした意味は大きかったし、テクニカルは正しかったことになります。
昨日のユーロ円の急落では「ユーロ安」というよりも、「円高」という側面が強かったと思われます。ユーロドルは上値が重かったものの、1.37台割れは回避しており、水準は昨日の朝方とほとんど変わっていません。ドル円に対して円は強含み、ユーロは水準を維持していたため、急落と言っても1円も値を飛ばすような下げではありませんでした。
メルシェECB理事は14日、ECBが幅広い政策措置に「高速」で取り組んでいると発言し、6月の次回の会合で行動を起こすことに「やぶさかではない」と述べたドラギ総裁の発言を裏付ける結果になっています。また、プラートECB理事もドイツ紙とのインタビューで「条件付になるだろうが、銀行に一段の長期資金を提供することは可能。再利下げも可能。複数の措置の組み合わせも考えられる」と述べています。(ブルームバーグ)
これまでのECB高官の発言からすると、次回6月5日の政策委員会で行動を起こすことはほぼ間違いないと予想します。問題はそれまでに市場がその予想を織り込んだ場合、緩和政策発表後に相場は反転することもあるということです。情報は噂の段階で相場に影響を与え、事実として確認されたら終わるということは良く見られる現象で、注意が必要です。
ユーロ円は「日足」までの短い時間では全て下抜けしており、目だったサポートは見られません。あえて探せば「日足」の200日線が重要なサポートになろうと思われますが、現在その値は137円79銭あたりに位置しています。もちろん、この水準まで下げるという意味ではなく、ここから一段と下がった場合にはこの水準が意識されるということになります。ECB政策委員会開催まではまだ時間があります。この間、多くのECB高官が緩和策について発言すると思われますが、そのたびに水準を切り下げて行く展開を予想しています。
ドル円は再び101円台に戻って来ました。引き続きレンジ内での動きになりそうですが、米長期金利の急落は気になります。本日のレンジは101円40銭~102円40銭程度を予想します。またボラティリティーの高まってきたユーロは、午後2時半からフランスを皮切りに、ドイツやイタリアそれにユーロ圏全体のGDP速報値が発表されます。ECBも注目する重要指標なだけに相場への影響は大きいはずです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は欧州時間の朝方102円を割り込み、クロス円の下落とあいまって下げ幅を拡大、一時101円72銭までドル安が進む。NY市場では米長期金利の低下が進んだことで上値は押さえられ101円台後半でもみ合う。
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2014-05-15 09:30