都会のオアシス「朱家角」 古民家茶館などが並ぶ癒しの街並み

上海のイメージを聞かれたら、きっと多くの人が、「高層ビル群、人ごみ、車の渋滞……」などを連想するのではないでしょうか?
上海にもあまり知られていない一面があります。高層ビルと古民家、モダンとアンティーク、相反する物と文化が「上海」という場所で違和感なしに共存している場所です。どんな都会にもオアシスがあるように、上海にもそんな場所があるのです。それもまた、上海の面白さの1つです。
■水郷「朱家角」には昔の上海の面影が
「朱家角(ヂューヂアヂアオ)」は、上海市の中心部からバスで1時間くらいのところにあります。街には300年以上の歴史があり、昔の上海の面影を存分に味わうことができる風情溢(あふ)れる水郷です。
街には大きな川と小さな水路が入り混じっています。街並みは36の小さい石橋でつながっています。そして水の流れに沿って9つの石畳みの街道が作られています。その街道の片側には明、清時代に建てられた約1000棟の古民家が、往時の姿のまま保存されています。
「朱家角」の町に入ってまず目に入るのがメーンの運河です。その運河を手漕ぎの観光用小舟が優雅に行き交います。運河沿いにある古民家の大半が今では土産物店、レストラン、カフェ、旅館として改造されていますが、一部は地元の人々が住居として使っています。歴史的な建物が今も生き生きと息づいていますね。
■清の時代のポストと郵便局も名所
この町で一番活躍している年代ものは118年前に作られた清の時代の「ポスト」です。青銅で作られていて、太い柱の形の胴体には「辰(たつ)」の模様が彫られています。ポストの後ろに控えているのが、1896年清の時代に開設された郵便局です。洋風の赤レンガ調の建物で、現在では郵政に関するさまざまなものを展示したり、観光用はがきの販売などをしています。
■古民家茶館とおしゃれなカフェ
朱家角にはたくさんの見どころがあります。私にとって一番おもしろいのは、古民家の茶館とおしゃれなカフェが同じエリアにあることです。黒い瓦、白い壁、そして赤い灯籠は古民家を利用した茶館の特徴です。それとは対照的に、おしゃれなカフェは店の前に観葉植物を置いたり、横文字でメニューを表示しています。
実はどちらも中国のお茶、コーヒー、ジュースなど、建物の外観とは関係なく同じような飲み物を置いているので、どちらを選ぶかは、昔の雰囲気を味わいたいか、それともおしゃれな気分に浸りたいかによりますね。
ところで、「朱家角」の地名ですが、実はあまり情緒のある名前ではなく、また中国語の発音もそれほどきれいではないのです。ほかに、「珠渓(ヂューシー)」、つまり「真珠の渓流」というきれいな別名があります。石畳みの街道、古民家、小舟……。この街に点在しているものがまるで真珠のように都会の一角で静かに光っているのです。都会の喧騒で疲れた人々を癒してくれる街なのです。(執筆者:薛 晴 提供:中国ビジネスヘッドライン)
上海のイメージを聞かれたら、きっと多くの人が、「高層ビル群、人ごみ、車の渋滞…」などを連想するのではないでしょうか?
china,column
2014-05-15 11:00