信頼できる中国人を見極める実践テク(1)「仮説力チェック」

これまで「3つの没有に要注意」というテーマを取り上げてきました。詳細はコラムを遡(さかのぼ)ってご覧ください。そこで今回は「3つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出し、中国人を見極める実践テクニックを紹介します。それは……、相手の「仮説力」をチェックするという方法です。
■「もしも……」と仮説の話を持ちかけることがポイント
「信頼できる中国人」と「危ない中国人」を見分けるとき、参考にしてみていただきたいのが「仮説力チェック」という方法です。
「没有問題」(問題ありません)と言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウ・ウェンティー」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほうよいでしょう。
もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。
「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけ。「もしも……」という仮説の話を持ちかけることがポイントです。これが「仮説力チェック」です。
筆者の経験だと、対応は大きく3つに分かれます。
■3つの反応で分かる”危ない中国人”と”信頼できる中国人”
第1に、「問題ないって言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切る中国人。この場合は、問題点に気付いてないか、自ら問題点を探し出そうとする意欲がないかです。いずれにしても注意が必要です。
第2に、「私のことが信用できないんですか!!」と逆切れ(?)するパターン。彼の「面子」をつぶしてしまってはいけないが、本当は問題があるのに彼は「その問題がまだ深刻ではない」と思っているか、または問題を隠そうとしているのかもしれません。これも要注意です。
3つ目のパターンは、「そうですね。もし問題が考えられるとすれば……」と、起こりうる問題の可能性を考え、それを話してくれる中国人。こういう中国人を大切にしたいところです。ビジネスパートナーとしてぜひ選びたい相手です。
つまり、「仮説力」をチェックすることで彼の仕事に対する姿勢やビジネスセンスを垣間見ることができます。これは極めて有効です。今後、ビジネスを順調に進めることができるか、トラブルを未然に察知し、効果的な対策をいっしょに施していくことができるか、彼のスタンスに大きく左右されます。
「もし、問題が起こるとすれば、どんな問題が考えられる?」というひと言をビジネスの中でぜひ実践してみてください。そして、皆さん自身のほうも「中国人を見極めるアンテナ」を磨(みが)く努力を心がけることが大切です。
このコラムでは今後もこうしたすぐに役に立つ「実践テク」をなるべくたくさん紹介していきたいと思います。どうぞ、ご期待ください。(執筆者:吉村 章 提供:中国ビジネスヘッドライン)
これまで「3つの没有に要注意」というテーマを取り上げてきました。詳細はコラムを遡(さかのぼ)ってご覧ください。そこで今回は「3つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出し、中国人を見極める実践テクニックを紹介します。それは……、相手の「仮説力」をチェックするという方法です。
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2014-05-15 11:00