JFEシステムズは今期大幅増益・増配を評価して再動意のタイミング
システム開発のJFEシステムズ <4832> (東2)の株価は急伸して高値を更新した後の上げ一服局面だが、目先的な過熱感が解消した。今期(15年3月期)の大幅増益・増配見通しを評価して再動意のタイミングだろう。
川崎製鉄(現JFEスチール)のシステム部門を分離した情報サービス企業である。鉄鋼向け情報システム開発・構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向けSI(システム・インテグレーション)事業、さらに自社開発のプロダクト・ソリューション事業も展開している。戦略的業務提携では13年5月に大阪ガス <9532> 子会社オージス総研と協業、ビジネスブレイン太田昭和 <9658> と資本・業務提携した。
中期成長戦略として、鉄鋼事業でのJFEスチールと連携した製鉄所システム統合・共通化推進、JFEスチールの海外展開へのIT支援、製造流通ソリューション拡充とERPソリューションの複合提案、自社プロダクト・ソリューション事業の強化(帳簿データ保存ソリューション、電子帳票システム「FiBridgeII」のタブレット対応、MQネットによる原料規格書サービスなど)を掲げている。
4月24日に発表した前期(14年3月期)連結業績(10月25日に売上高を増額修正)は、売上高が前々期比4.1%増の351億26百万円、営業利益が同19.6%増の11億03百万円、経常利益が同21.1%増の11億21百万円、純利益が同11.1%増の5億59百万円だった。配当予想は前回予想から2円増額して年間22円(期末一括)とした。前々期との比較では、13年10月1日付の株式100分割を考慮すると実質的に2円増配となる。
分野別の売上高を見ると、鉄鋼向けはIT投資抑制の影響などで同1.1%減の175億円とやや低調だったが、外販製造流通向けが自動車関連を中心に同3.9%増の124億円、子会社KITシステムズのITインフラサービスがウインドウズ7対応特需などで同11.1%増の52億円と好調だった。
今期(15年3月期)の連結業績見通しについては売上高が前期比2.5%増の360億円、営業利益が同37.8%増の15億20百万円、経常利益が同35.6%増の15億20百万円、純利益が同53.8%増の8億60百万円としている。配当予想は同6円増配の年間28円(期末一括)とした。
分野別売上高の計画を見ると、鉄鋼向けはJFEスチールのシステム更新投資再開などで同8.7%増の184億円、外販製造流通向けは金融関連の大型案件も寄与して同8.7%増の132億円、子会社KITシステムズはウインドウズ7対応特需が一巡して同8.7%減の44億円としている。利益面では売上構成比改善効果も寄与して大幅増益見込みだ。
株価の動き(13年10月1日付で株式100分割)を見ると、4月24日発表の今期大幅増益・増配見通しを好感して、4月23日終値845円から4月24日に949円、4月25日に950円まで急伸する場面があり、13年5月高値900円を一気に突破した。その後は利益確定売りなどで上げ一服の形だが、大きく下押す動きは見られず足元では目先的な過熱感も解消した。
5月15日の終値886円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS109円51銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は3.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1226円53銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消し、再動意のタイミングだろう。また週足チャートで見ると800円台のボックスレンジから上放れた形だ。自律調整を挟みながら上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム開発のJFEシステムズ<4832>(東2)の株価は急伸して高値を更新した後の上げ一服局面だが、目先的な過熱感が解消した。
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2014-05-16 09:00