P&Pホールディングスは今期営業増益・増配を評価して出直り

  販売支援や物流業務請負などのP&Pホールディングス <6068> (JQS)の株価は、1月戻り高値から反落してモミ合い展開が続いたが、下値固めが完了して切り返しの動きを強めている。今期(15年3月期)の増収・営業増益・増配見通しを評価して出直り展開だろう。   12年10月に持株会社へ移行して、販売支援などのSPO(セールス・プロセス・アウトソーシング・サービス)事業、倉庫・物流業務請負などのBYS(バックヤードサポート・サービス)事業、人材派遣・紹介などのHR(ヒューマンリソース・サービス)事業、その他事業(Webサービスなど)を展開している。   ネット通販市場の拡大やコンビニエンスストアの新規出店なども追い風であり、M&Aも活用して事業領域を広げている。13年4月に流通向け建築・内装施工の子会社P&Pデザイン(PPD)を立ち上げ、13年6月に小売・流通向けセールス・プロモーションや伊藤ハム <2284> 向け人材派遣の藤栄テクノサービス(現ジャパンプロスタッフ)(JPS)を子会社化、13年10月に経理アウトソーシング事業のリラインを子会社化した。さらにSPOサービスの強化を目指して、シナジーが期待される隣接領域を中心にM&A・アライアンス戦略を推進する方針だ。   5月9日に発表した前期(14年3月期)の連結業績は、売上高が前々期比13.8%増の261億55百万円、営業利益が同8.4%増の5億51百万円、経常利益が同6.9%増の5億46百万円、純利益が同1.5%増の2億73百万円だった。売上面ではBYS事業の大幅増収が牽引した。利益面では売上構成比変化で売上総利益率が低下したが、組織体制見直しや業務効率化による販管費比率の低下も寄与して営業増益だった。配当予想は前々期と同額の年間10円(期末一括)とした。   セグメント別の売上高を見ると、SPOサービスは同3.9%減の133億60百万円だった。モバイル系の一部クライアントによる人材直接雇用化の影響などで伸び悩んだ。BYSサービスは同69.6%増の75億54百万円だった。ネット通販市場拡大に伴う物流拠点作業の増加、コンビニエンスストア出店エリア拡大に伴う棚卸サービスの増加、JPSの新規連結などで大幅増収となった。HRサービスは同12.1%増の51億56百万円だった。通信系コールセンター案件が好調だった。その他サービスは同2.5倍の83百万円だった。WebSPOサービス「もにったー」の会員数が10万人を突破し、商品充実も寄与した。   今期(15年3月期)連結業績見通しは、売上高が280億円~300億円(前期比7.1%増~14.7%増)、営業利益が6億円~7億50百万円(同8.8%増~36.0%増)のレンジ予想として、経常利益と純利益の見通しは非開示である。配当予想は5月13日に増額修正を発表して前期比1円増配の年間11円(期末一括)とした。   SPOサービス事業では競争激化などに対応して、特定建設業許可を取得した子会社PPDの販売用什器作成や店頭売場作りを拡大し、店頭販売に関わる支援をトータルプロデュースすることで高収益化を推進する。BYS事業では引き続き、ネット通販関連の物流拠点作業需要、コンビニエンスストアの棚卸サービス需要が好調に推移し、子会社JPSの食品製造案件管理ノウハウの全国水平展開を強化する。HRサービスでは事務系BPO業務の案件獲得を強化する。   さらに管理面では、新基幹システム導入による業務効率化や子会社リラインを活用した業務集約化などで、販管費比率を前期比0.4ポイント引き下げる計画だ。連結ベースの月次売上動向を見ると14年4月度は前年比21.3%増加で順調なスタートとなった。好業績が期待され、通期ベースではレンジ予想上限から上振れ余地がありそうだ。   なお今期の重点施策の一つとして、東証1部市場への上場を見据えて、東証2部市場への上場申請への検討を開始し、内部統制の確立、コンプライアンスの強化、届出書類の整備・精査を推進する方針としている。   株価の動きを見ると、1月の戻り高値387円から反落後はモミ合い展開だが、徐々に上値を切り下げる展開となった。ただし一方では300円近辺が支持線となって下値固め完了感を強めている。足元では5月12日に299円、5月13日に298円を付けたが、5月15日は素早く反発して315円まで戻した。今期配当予想の増額修正も好感して、下値支持線から切り返す動きだろう。   5月15日の終値315円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPSは未公表のため営業利益予想のレンジ上限値を基に推定した連結EPS34円80銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS323円57銭で算出)は1.0倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して強基調へ転換の動きを強めている。26週移動平均線を突破すれば上げ足を速めて、出直りの動きに弾みがつきそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
販売支援や物流業務請負などのP&Pホールディングス<6068>(JQS)の株価は、1月戻り高値から反落してモミ合い展開が続いたが、下値固めが完了して切り返しの動きを強めている。
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2014-05-16 09:30