日本郵便の年賀状スマホアプリ、機能サービス充実で「スマホ元年」

  新年を迎える準備に本腰を入れねばならない時期になった。元日に年賀状が配達されるための投函の目安は12月25日。そして今年は、その年賀状を巡る動きが、これまでと大きく異なってきているという。日本郵便の法人営業部新規サービス開発室課長の西村哲氏は、その変化を「スマホ年賀状元年」と表現した。スマートフォンを使って、少しの空き時間で簡単に年賀状を作り、郵送することまでワンストップでできるスマホアプリの利用者が爆発的に増えている。西村氏に、今年の年賀状の傾向と、スマホアプリの開発について聞いた。(写真はサーチナ撮影) ――2013年の年賀状の販売状況は、例年と比べて違いがありますか?   昨今の年賀状事情としては、年賀状の投函時期が後ずれしているという傾向が顕著になっています。今年は、天皇誕生日の12月23日まで3連休になった方々が多かったと思うのですが、日本郵便で提供している年賀特設サイト「郵便年賀.jp」のアクセスのピークは、12月23日前後になってきています。   やはり、年末の気ぜわしさから、年賀状のことが気になっていても、ギリギリまで年賀状を書くことができない方も多いようです。   日本郵便では、このような忙しい方々が、ちょっとした空き時間を利用してスマートフォンで年賀状を作って、郵送することまでワンストップでできる「はがきデザインキット2014」という無料アプリを提供していますが、このアプリのダウンロード数は、昨年の31万ダウンロードをすでに超え、多くの方々に利用していただいています。 ――「はがきデザインキット」は2011年(2012年版)に登場し、2013年版で機能が大きく向上しました。2014年版の特長は?   機能面では2013年版と大きな違いはありません。年賀状のテンプレートには、来年の干支である「馬」をデザインしたものを多く用意し、4ステップの簡単操作でスマートフォンに撮りためた写真を使って、年賀状をデザインできるように、より使いやすい仕様にしました。また、年賀状アプリの利用料(年賀ハガキ代+印刷費)の決済が、キャリア経由でできるようになりましたので、より使い勝手がよくなったと思います。    昨年から、住所がわからない相手にも、携帯電話番号などで年賀状を送る機能を付け加えました。iPhoneであれば、携帯電話番号かメールアドレス、Android端末であればtwitter、または、mixiのIDがわかれば、ショートメッセージやメールの機能などを使って、相手先に住所を問い合わせ、受取人が届いたメールに住所を入力することで、その住所あてに年賀状を届けています。   2013年版では71万枚の年賀状がスマホアプリ経由で販売され、うち、15%程度は住所を知らない相手先への配達を行いました。   今年は、スマホ経由の年賀状販売枚数が、昨年比250%となり、まさに「スマホ年賀状元年」といえるような年になったと思います。   昨年は、スマホアプリへのアクセスが、1月2日に再び活発になりました。出し忘れ年賀状や年賀状の返信で使っていただいたのだと思いますが、今年も2014年1月15日までは、アプリによるワンストップ年賀状配達を実施しますので、これからも気になる方への年賀状作成で、アプリをご利用いただきたいと思います。   元日以降に年賀状を買い求めようとすると、気に入った絵柄の年賀状が残っていないということもあると思うのですが、スマホアプリなら自由にデザインが選べます。 ――「スマホ年賀状元年」ということですが、今後、スマホアプリは、どのように進化していくのですか?   携帯電話を使った年賀状アプリは、フィーチャーフォンの時代から取り組んでいますが、フィーチャーフォンを通じた年賀状販売の実績は、1件あたり2-3枚程度だったのですが、スマートフォンでは1件あたり20枚程度に増えました。PCでは1件あたり30枚なので、PCに匹敵するほどの利用があることがわかりました。   利用者の方々の声を聞くと、育児をしているお母さんによく利用していただいていることがわかりました。開発する私たちは、普段は手紙やハガキを書かない若い方を意識して開発していますが、スマホのカメラで子供の成長を記録している方々が、スマホから簡単に写真を取り込んでハガキを送ることができるという機能を便利に使っていただいているようです。   今後は、凝った年賀状を作りたい方はPCで、簡単に写真付の年賀状を送りたい方はスマホでと、利用シーンに分けて、使い分けが進んでいくと思います。   また、今年は、「Yahoo!JAPAN」との連動企画で、コカ・コーラ年賀状を発売したのですが、発売初日で2万枚が完売しました。ICチップ付きの年賀状で、自販機にかざすとコカ・コーラ商品が1本もらえるというものです。   この他に、「Yahoo!JAPAN年賀状」と連携してディズニー映画の視聴ができるシリアルコード付きの年賀状「ディズニー映画付き年賀状」や、TSUTAYA DISCASの最新作を含む34万タイトルの中から1作品のDVD・CDが無料で宅配レンタルできる「TSUTAYA年賀状」も発売しています。   今後は、このようなプレゼント付き年賀状も広がっていくと思います。年賀状は、手元に届いて、後々まで残るものですから、これからも皆様に喜んで使っていただけるサービスの開発を進めたいと思っています。(編集担当:風間浩)
新年を迎える準備に本腰を入れねばならない時期になった。元日に年賀状が配達されるための投函の目安は12月25日。そして今年は、その年賀状を巡る動きが、これまでと大きく異なってきているという。日本郵便の法人営業部新規サービス開発室課長の西村哲氏に、今年の年賀状の傾向と、スマホアプリの開発について聞いた。(写真はサーチナ撮影)
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2013-12-25 14:15