NYダウの行方が最大の注目点、今年も『5月は売り逃げよ』となるかどうか=犬丸正寛の相場展望
週末にかけてNYダウが大きく下げた。去る13日に1万6725ドルと過去最高値を更新し、直近1ヶ月間で約710ドル上伸していたことから利益確定売りの出やすい地合いにあった。
そこへ、ウオルマートの予想を下回る決算や4月の鉱工業生産が芳しくなかったことなどが売りの手がかり材料となった。とくに、米国・10年債利回りが2.50%前後へ昨年10月水準まで低下、景気の先行きに対する警戒感となっていることも気にされている。
しかし、それ以上にNYダウについて気になるのは、アメリカの相場格言の、『5月は売り逃げよ』があることだ。2012年、2013年とも5月がNYダウの短期的ピークとなっている。
2012年、2013年とも5月ピーク後に1ヶ月程度の調整を経て秋相場に向けて上昇となっている。今年も1ヶ月ていどの調整で済むのか、あるいは、長期間の調整となるのか注目される。この意味では米国の経済・景気に対する見極めが大切となろう。
一方、日経平均はNYダウの最高値に引っ張られて、5月13日に1万4464円まで戻した。しかし、30日線を大きく突破することはできず、また東証1部売買代金も2兆円を超えることはできず、NYダウ高に刺激されての単なる戻りにとどまった。
日経平均の力不足の背景は、あるていど想定されていたこととはいえ、2015年3月期の企業々績がもうひとつ芳しくないことがある。従来は、消費税の影響は受けても2015年3月期は2ケタ増益とみられていたが、1ケタの伸びにとどまりそうな雰囲気だ。
ただ、「9月中間期において業績上ブレが期待できる。これに、6月の新成長戦略が加われば相場が大きく崩れることはなく、むしろ、ここでの調整は絶好の買い場になるだろう」(中堅証券)との見方は多い。
ウクライナ、ベトナム情勢やNYダウの行方を見守りながら好業績材料株の一本釣り相場が続くものとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
週末にかけてNYダウが大きく下げた。去る13日に1万6725ドルと過去最高値を更新し、直近1ヶ月間で約710ドル上伸していたことから利益確定売りの出やすい地合いにあった。
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2014-05-16 16:15