今週の為替相場見通し(2014年5月19日-)=為替王

 先週は主要通貨の円高リスクを懸念しました。実際にある程度は円高になったものの、心配していたほど大きく崩れることはなく、まずまず持ちこたえている状況といってよいかと思います。  主要通貨のなかで円高の動きが目立ったのがユーロ。GW中は142円前後で安定していたのが、先週は一時138円台に突入するほど、じりじりと下がってきました。背景としてはEUR/USD、ユーロ円ともに下落を示唆するチャート上のシグナルが出ています。そして今週も下向きの動きを警戒したい状況と判断します。EUR/USDのとりあえずの下落ターゲットは1.36台前半。ユーロ円については、とりあえず138円台。先週金曜日の夜に、そのターゲット近くまで下落する場面がありました。今週も、しっかりその水準まで到達することを期待したいです。ユーロ円は大きな視点で見ますと、もっと大きなターゲットも一応出ており、もしも今回、為替相場全体で大きなトレンドへと発展するようなことになれば、年初来安値(136円)やそれを下回るようなリスクも潜在的には抱えている状態といってよいかもしれません。  豪ドル円については、今週注目すべきは94円台後半の水準。ちょっとした下値サポート帯が形成されており、その水準を割り込みますと、今年3月以来となる93円台突入が見えてくると思います。  NZドル円もちょっと気になります。米ドル円、ユーロ円、ポンド円などの主要通貨は円高を警戒したい状況であることを指摘してきましたが、NZドル円も下落を示唆するサインが出始めています。4月以降は87円台後半あたりが相場の下限となっていますが、そこから下方に崩れる兆候も出ており、客観的に計測しますとNZドル円としては比較的大きめの下落幅も想定され、具体的には今年3月の大幅上昇が始まる前の水準、すなわち85円台あたりへ戻るシナリオも考えられると思います。  以上、為替相場全体で下向き(円高)の動きを警戒したい状況と考えられます。今週も肩透かしで、全然円高にならなかったとしても、今年もどこかで乱高下する局面が必ず来ますので、資金面および精神面での準備だけはしておきたいです。(執筆者:為替王)
先週は主要通貨の円高リスクを懸念しました。実際にある程度は円高になったものの、心配していたほど大きく崩れることはなく、まずまず持ちこたえている状況といってよいかと思います。
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2014-05-19 01:45