クリナップは短期調整一巡して反発のタイミング

  システムキッチン大手のクリナップ <7955> の株価は、3月高値から利益確定売りや地合い悪化の影響で反落したが、短期調整が一巡して反発のタイミングだろう。今期(15年3月期)減収減益の会社予想だが上振れ余地があり、指標面の割安感も支援材料だ。   厨房部門のシステムキッチンを主力として、浴槽・洗面部門のシステムバスルーム・洗面化粧台なども展開している。中期計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を掲げて、中高級タイプの商品力・ブランド力の強化、主力の「クリンレディ」を核としたシステムキッチンの市場シェア上昇、顧客接点である全国102カ所のショールームへの集客強化、当社の会員登録制組織「水まわり工房」加盟店との連携強化、リフォーム需要の取り込み、総合競争力強化などを重点施策としている。   5月8日に発表した前期(14年3月期)の連結業績(2月6日に2回目の増額修正)は、売上高が前々期比13.4%増の1287億85百万円、営業利益が同86.6%増の88億73百万円、経常利益が同93.7%増の84億70百万円、純利益が同98.3%増の49億70百万円だった。2回目の増額修正値を上回る大幅増収増益だった。配当予想は同10円増配の年間25円(第2四半期末10円、期末15円)(期末15円=普通配当10円+記念配当5円)とした。   付加価値の高い新商品の投入、ショールームの新装(リニューアル・移転オープン)や、会員登録制組織「水まわり工房」加盟店との連携強化などの施策が奏功し、利益面では原価低減などの効果も寄与した。部門別の売上高を見ると、厨房部門はシステムキッチン「S.S.」「クリンレディ」「ラクエラ」が好調に推移して同13.7%増の992億70百万円、浴槽・洗面部門はシステムバスルーム「アクリアバス」や「ユアシス」が好調に推移して同9.8%増の233億31百万円だった。ショールームの新装は4カ所を新築移転、17カ所を全面リニューアルした。   今期(15年3月期)連結業績見通しについては、消費増税前の駆け込み需要の反動減などを考慮して売上高が前期比1.4%減の1270億円、営業利益が同24.5%減の67億円、経常利益が同24.4%減の64億円、純利益が同25.6%減の37億円としている。配当予想は記念配当5円を落として年間20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。ただし会社予想は保守的な印象が強く、ショールームへの集客強化や会員登録制組織「水まわり工房」加盟店との連携など、販売強化施策や原価低減効果などで上振れ余地があるだろう。   5月8日に公開買付による自己株式取得を発表した。当社第2位株主のタカヤス(当社創業家の資産管理会社)が、保有する682万9360株(発行済株株式総数に対する割合14.54%)のうち500万株(同10.65%)を売却することに対応したもので、自己株式取得は取得株式総数の上限550万100株(同11.71%)、取得価額総額の上限44億9358万1700円、取得期間5月9日~7月31日で、このうち公開買付は公開買付期間5月9日~6月5日、買付価格817円、買付予定数550万株としている。公開買付に要する資金は自己資金で充当するとしている。   株価の動きを見ると、3月31日の高値1045円から反落して調整局面のようだ。5月8日に今期減収減益見通しを発表したが、同時に発表した公開買付による自社株取得を好感して5月9日には前日比59円高の929円まで反発する場面があったが、買いが続かず足元は概ね800円台半ばで推移している。そして5月16日には848円まで調整して3月安値830円に接近する場面があった。全般地合い悪化も影響しているようだ。   5月16日の終値860円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円41銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1301円25銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、2月安値圏で下値を支えた52週移動平均線に接近して短期調整のほぼ最終局面のようだ。指標面の割安感を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システムキッチン大手のクリナップ<7955>(東1)の株価は、3月高値から利益確定売りや地合い悪化の影響で反落したが、短期調整が一巡して反発のタイミングだろう。
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2014-05-19 09:15