キムラユニティーは15年3月期業績上振れ余地を評価して出直り

  総合物流サービスのキムラユニティー <9368> の株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、900円近辺の下値支持線に到達して調整のほぼ最終局面だろう。指標面の割安感も支援材料であり、今期(15年3月期)業績上振れ余地や中期成長力を評価して出直り展開だろう。   トヨタ自動車 <7203> の補給部品・KD包装、および物流請負を主力とする総合物流サービス企業である。車両リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野を中心としたシステム開発などの情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開している。また13年12月には日本最大級の軽自動車専門店を運営するスーパージャンボを子会社化した。   物流サービス事業ではネット通販市場の拡大も追い風として、物流請負のNLS(ニュー・ロジスティクス・サービス)の新規顧客開拓や生産性改善を推進している。14年4月にはスズケン <9987> の物流センター業務のうち庫内物流業務を請け負うため千葉県印西市に印西事業所、14年5月に東芝ロジスティクスの物流業務を請け負うため神奈川県川崎市に川崎事業所を開設した。   海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。米国子会社は13年7月、カナダの大手自動車部品メーカーMAGNAグループのDRIVE社から物流請負を新規受注した。さらに受注拡大によって一段の収益拡大が期待される。中国では保有台数の増加に伴って、中期的に補修部品の需要拡大が期待される。   4月25日に発表した前期(14年3月期)の連結業績(4月9日に業績と配当予想を増額修正)は売上高が前々期比5.4%増の408億46百万円、営業利益が同24.1%増の16億89百万円、経常利益が同28.0%増の21億32百万円、純利益が同32.0%増の12億26百万円だった。物流サービス事業の好調が牽引した。配当予想は特別配当3円を増額して年間25円(第2四半期末11円、期末14円)とした。前々期との比較では3円の増配となる。   セグメント別に見ると、物流サービス事業は売上高が同7.7%増の280億36百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同31.1%増の20億54百万円だった。トヨタ自動車向けの好調、国内NLSの新規顧客開拓と生産性改善、中国事業の堅調推移、北米子会社の収益改善、円安メリットなどが寄与した。   自動車サービス事業は売上高が同1.2%増の115億44百万円、営業利益が同7.0%減の5億39百万円だった。車両保有台数の増加でリース事業が増収だったが、オートプラザピット稲沢本店の拠点再開発工事の費用計上で減益だった。情報サービス事業の売上高は同3.3%減の10億70百万円、人材サービス事業の売上高は同11.0%減の6億72百万円、その他のサービス事業は売電事業の開始などで売上高が45百万円となった。   今期(15年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比10.2%増の450億円、営業利益が同3.6%増の17億50百万円、そして経常利益が同6.2%減の20億円、純利益が同6.2%減の11億50百万円としている。営業外収益での為替差益(前期は1億71百万円計上)を見込んでいないため経常利益と純利益は減益の見通しだが、物流サービス事業と自動車サービス事業が牽引して増収営業増益の見込みだ。配当予想は前期と同額の年間25円(第2四半期末12円、期末13円)とした。   セグメント別売上高の計画を見ると、物流サービス事業はNLSの新規顧客開拓や米国子会社の受注拡大などで同2.9%増の288億60百万円、自動車サービス事業はスーパージャンボの連結も寄与して同28.1%増の147億85百万円、情報サービス事業は同12.1%増の12億円、人材サービス事業は同6.3%減の6億30百万円、その他サービス事業は同1.2%減の45百万円としている。期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強く、生産性改善効果も寄与して上振れ余地が大きいだろう。中期的にも物流サービス事業が牽引して収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して戻り高値圏から反落し、モミ合いレンジを950円~1000円から900円~950円に切り下げた形だ。4月9日発表の前期増額修正や4月25日発表の今期営業増益見通しに対しても反応薄だった。ただし900円近辺の下値支持線に到達して調整のほぼ最終局面だろう。   5月16日の終値909円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円29銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1910円73銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、2月安値910円、3月安値913円、4月安値906円が下値支持線の形だろう。今期上振れ余地に加えて指標面の割安感も支援材料であり、調整一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
総合物流サービスのキムラユニティー<9368>(東1)の株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、900円近辺の下値支持線に到達して調整のほぼ最終局面だろう。
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2014-05-19 09:15