【為替本日の注目点】ドル円101円台半ば中心の動き強まり、ユーロ円売り進む
NY市場
ドル円は101円台半ばを中心に小動き。住宅関連の指標が好調だったことで101円68銭まで買われたが、50-55銭まで押し戻されて取引を終える。
ユーロは主要通貨に対して続落。ECBによる緩和観測が引き続き強く、対ドルでは1.3687まで下落し、対円でも138円80銭前後までユーロ安が進んだ。
株式市場は反発。住宅着工件数が市場予想を超えたことと、小型株が反発したことでダウも44ドル高と3日振りに反発。
債券相場は4日ぶりに反落。市場では前日までの急騰はさすがに買われ過ぎとの見方も台頭。利益確定の売りが優勢となり、長期金利は2.52%台まで上昇。
金は続落し、原油は小幅に反発。
4月住宅着工件数 → 107.2万件
4月建設許可件数 → 108万件
5月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 81.8
ドル/円 101.38 ~ 101.68
ユーロ/ドル 1.3687 ~ 1.3719
ユーロ/円 138.83 ~ 139.33
NYダウ +44.50 → 16,491.31ドル
GOLD -0.20 → 1,293.40ドル
WTI +0.52 → 102.02ドル
米10年国債 +0.024 → 2.520%
本日の注目イベント
日 3月機械受注
米 バーナンキ・前FRB議長講演
ドル円は依然として101円20-30銭の下値のサポートが維持されてはいるものの、上値の重い展開が続いています。基本的には低水準のボラティリティーが続いていることで上値が徐々に切り下がり、先週末は102円台も「売りゾーン」になったような印象もあります。今週も上記サポート水準が維持できるかどうかが焦点になりそうです。
先週末のNY市場では住宅着工件数が昨年12月以来となる100万件を超え、建設許可件数も108万件とこのところ低調な内容が続いた住宅市場にやや明るさが戻ってきました。一方でミシガン大学消費者マインドは市場予想を大きく下回る「81.8」で、前月の「84.1」から急低下しています。ブルームバーグによると、食品や燃料の値上がりが影響したとして、労働市場は改善しており、経済も4-6月に良くなってきていることから、消費者信頼感は再びゆっくりと高まり始めるだろうと予想しています。
ドル円は101円台半ば中心の動きが強まり、ボリンジャーバンドもエネルギーを溜め始め、上下のバンドは横ばいの動きを示しています。米長期金利の低下傾向がドル円の上値を抑えている上に、ユーロの下落もユーロ円の売りを通じて、ドル円の上値を重くしていると見られます。ユーロ円は先週末の欧州市場で一時138円77銭まで売られ、2月27日以来のユーロ安水準を記録しました。
ECBの政策委員会は来月5日(木)に開催されますが、ここで追加緩和に踏み切る可能性が日増しに強まっているのが足元の動きです。景気回復が緩慢な上、失業率は12%台と依然高止まりしたままです。さらにインフレ率は1%にも届かず、何らかの景気刺激策が必要なのは明らかです。それでも政策金利は0.25%で、下げ余地は限られています。また日米のように市場から国債を購入して資金を供給するにしても、ユーロ圏の国債はありません。ここはドラギECBの腕の見せ所ということになります。
本日は海外市場では重要な経済指標の発表はありません。引き続き101円台半ばを中心とした冴えない相場展開が予想されます。レンジは101円10銭~101円90銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は101円台半ばを中心に小動き。住宅関連の指標が好調だったことで101円68銭まで買われたが、50-55銭まで押し戻されて取引を終える。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-05-19 09:30