陽光都市開発は財務基盤改善や収益改善を評価して出直り

　　陽光都市開発 <8946> （ＪＱＳ）の株価は、全般地合い悪化も影響して上値を切り下げたが、足元では１５０円台を割り込むことなく推移している。下値固めが完了したようだ。財務基盤改善や収益改善基調を評価して出直り展開だろう。 　　投資用マンション「グリフィンシリーズ」の企画・販売事業を縮小して、不動産管理・賃貸・仲介事業のストック型フィービジネスへの事業構造転換を進め、収益基盤を強化している。１４年１月には徳威企業発展有限公司（上海）およびストライダーズ <9816> による当社新株予約権行使で、自己資本比率が大幅に改善した。財務基盤が強化されたことでＭ＆Ａの積極化や不動産販売事業の再構築を目指している。 　　１３年８月にはアパマンショップホールディングス <8889> の子会社アパマンショップネットワークとＦＣ加盟契約を締結した。また１３年１０月にはストライダーズと資本業務提携し、ストライダーズの子会社で東京を中心に不動産賃貸管理事業を展開するトラストアドバイザーズとの相互補完関係構築やシナジー効果を目指している。 　　１４年４月には、当社の不動産仲介事業を子会社の陽光アセット・インベスターズに事業譲渡して、同社の商号をグリフィン・パートナーズに変更した。グループの不動産仲介事業の意思決定の迅速化や責任体制の明確化を図るとしている。 　　中国における不動産関連事業に関しては、１４年２月に柏雅資本集団控股有限公司（香港）の連結子会社化が完了し、香港柏雅の子会社および孫会社である柏雅酒店管理（上海）有限公司および上海柏雅投資管理有限公司も連結化した。酒店管理および投資管理は、徳威企業発展有限公司（上海）が不動産デベロッパーと共同で開発したサービスアパートメントの運営・管理を受託している。さらに３社を基盤として中国におけるワンルームビジネスへの事業展開も検討している。 　　５月１３日に発表した今期（１４年１２月期）第１四半期（１４年１月～３月）の連結業績は、売上高が前年同期比２．２倍の５億６３百万円、営業利益が同７４．８％増の６０百万円、経常利益が同２．０倍の５０百万円、純利益が同２．１倍の４６百万円だった。不動産販売事業で１棟売却契約を締結している投資用マンションの一部引き渡し（３６戸のうち２３戸）を行い、大幅増収増益だった。なお新規連結した香港柏雅グループ３社の業績については、みなし取得日を第１四半期末としているため、当第１四半期連結業績に含まれていない。 　　主要セグメントの動向を見ると、不動産販売事業（前年同期は売上・利益ともなし）は売上高が２億９５百万円、営業利益（全社費用等調整前）が３２百万円だった。不動産管理事業は管理している賃貸マンションのリフォーム関連が増加して売上高が同７．８％増の１億１４百万円、営業利益が同８．２％増の５９百万円だった。不動産賃貸事業は売上高が同１．６％減の９４百万円、営業利益が同０．４％減の１３百万円だった。不動産仲介事業は売買仲介が増加したが賃貸仲介が減少して売上高が同３．８％減の４４百万円、営業利益が同５３．６％減の７百万円だった。 　　また第１四半期末（１４年３月末）の自己資本は６億６６百万円、自己資本比率は２５．９％、１株当たり純資産（ＢＰＳ）は５５円３３銭となり、前期末（１３年１２月末）の自己資本１億９０百万円、自己資本比率９．０％、ＢＰＳ１９円９２銭に対して財務基盤が大幅に改善した。 　　通期の見通しは前回予想（２月２８日公表）を据え置いて、売上高が前期比６７．１％増の１７億６０百万円、営業利益が同２２．６％増の１億２９百万円、経常利益が同６６．０％増の１億円、純利益が同６２．８％増の９０百万円としている。不動産販売事業での投資用マンション１棟引き渡しが牽引し、不動産管理事業の着実な拡大や新規連結の香港柏雅グループ３社も寄与する。第１四半期の進捗率は売上高が３２．０％、営業利益が４６．５％、経常利益が５０．０％、純利益が５１．１％と高水準であり、収益改善基調だろう。 　　株価の動きを見ると、１月の戻り高値圏から反落後は全般地合い悪化も影響して上値を切り下げ、４月１１日には１４６円まで調整した。しかしその後は１５０円台を割り込むことなく推移して下げ渋り感を強めている。下値固めがほぼ完了したようだ。 　　５月１６日の終値１５２円を指標面で見ると、今期予想連結ＰＥＲ（会社予想の連結ＥＰＳ７円５０銭で算出）は２０倍近辺、実績ＰＢＲ（１４年１２月期第１四半期実績の連結ＢＰＳ５５円３３銭で算出）は２．７倍近辺である。週足チャートで見ると２６週移動平均線が戻りを押さえる形だが、下値固めが完了して出直り展開だろう。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）