人民日報「外貨準備の抑制必要」(1)年末には4兆ドル突破の見通し

 中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は19日付で、「外貨準備10年間で10倍に。水ぶくれ解消とダイエットが必要」とする論説を掲載した。国務院の「輸出振興政策」なども取り上げ、巨額の外貨準備はすでに中国の負担と指摘。外貨準備の投資先として米国債への依存が大きすぎるのも問題で、中国企業の海外への投資を奨励するべきと主張した。  中国はかつて、外貨不足に悩む国だった。中華人民共和国成立以来、改革開放の本格的開始まで、外貨準備高は2億ドル以下だったことが大部分で、多くとも10億ドル以下だった。  しかし改革開放政策が軌道に乗り始めると、外貨準備高は1990年には100億ドルを突破、96年には1000億ドルを突破した。2003年末には4932億ドルあまりで、約10年後の2014年第1四半期(1-3月)末には3兆9500億ドルで世界第1位であり、全世界の外貨準備の3分の1を占めるまでになった。世界経済が順調に推移すれば、14年末までには4兆ドルを超えるとみられている。  外貨準備が急増した主な原因は中国の輸出超過だ。2013年第4四半期(10-12月)には欧米諸国の経済が復活しはじめ、中国の輸出には再び増加傾向が見えてきた。しかし輸入の伸びには、それほどの力強さはみられない。そのため、貿易黒字は高い速度で伸びていくと考えられる。  また金利差と中国経済の順調さが吸引力となって裁定取引絡みで資本が流入することも、外貨準備の増加速度を引き上げる原因になっている。(続く)(編集担当:如月隼人)
 中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は19日付で、「外貨準備10年間で10倍に。水ぶくれ解消とダイエットが必要」とする論説を掲載した。国務院の「輸出振興政策」なども取り上げ、巨額の外貨準備はすでに中国の負担と指摘。外貨準備の投資先として米国債への依存が大きすぎるのも問題で、中国企業の海外への投資を奨励するべきと主張した。
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2014-05-19 12:45