【為替本日の注目点】2月初旬以来の円高ドル安水準、ドル円は緩やな下落基調
NY市場
特段目だった材料もない中、ドル円は緩やな下落基調となり、一時約3ヶ月半振りのドル安円高となる101円11銭をつける。(欧州市場では101円10銭を記録)その後は株高と長期金利が小幅に上昇したことで、101円50銭を超える水準まで買い戻されこの日の高値圏で引ける。
ユーロドルは1.37台前半でもみ合い。ドル安が進んだことで買われる場面もあったが、ユーロ円の下落基調に上昇も限定的。ユーロ円は138円62銭辺りまで下落し、2月以来のユーロ安を記録。
株式市場はネット関連株や小型株の上昇が続き続伸。ダウは20ドル高の1万6500ドル台まで上伸。
債券相場は小幅に下落し、長期金利は2.54%台まで上昇。FOMC議事録の公表を控え、取引は少なめ。
金は小幅に反発し、原油は続伸。
ドル/円 101.11 ~ 101.53
ユーロ/ドル 1.3702 ~ 1.3734
ユーロ/円 138.62 ~ 139.18
NYダウ +20.55 → 16,511.86ドル
GOLD +0.40 → 1,293.80ドル
WTI +0.59 → 102.61ドル
米10年国債 +0.022 → 2.544%
本日の注目イベント
豪 RBA議事録
中 プーチン大統領中国訪問(21日まで)
独 独4月生産者物価指数
英 英4月生産者物価指数
米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米 ダドリー・NY連銀総裁講演
ドル円では下値の重要なメドであった101円20-30銭がブレイクされ、欧州市場では一時101円10銭まで円高が進みました。この水準で下げ止まったのは、ここにもテクニカル上重要な「200日移動平均線」があったからで、結局このサポートラインに下落を抑えられた格好になっています。それでも2月初旬以来の円高ドル安水準を記録したことで市場のセンチメントは「ドル安」に傾いていることは明らかなようです。
昨日は特に円を買う材料もなかったわけですが、日本の株安や、ウクライナ、さらには中国とベトナムとの緊張の高まりから円が緩やかに買われたものと見られます。特段の円買い材料がなかっただけに、ドルの下落は緩やかなもので、一部には世界の為替市場でボラティリティーが2007年以来の低水準まで下げたことが影響したとのコメントもあります。
しかし、通常はボラティリティーが低下すると、低金利の円は売られ「円安」に振れることが多いと考えられます。為替の変動率が低下することで、高金利の通貨を買い低金利の円を売る、いわゆる「円キャリー」が起こりやすい状況になるからです。昨日の円高の動きは、ドル円が最初のサポートであった101円30銭あたりを割り込んだことで、もう一段の円高を予想したポジションメイクがドルを押し下げたものと見ています。
ドル円は101円10銭近辺から101円台半ばまで一旦は値を戻しましたが、足許では今後の相場展開を予想する上で重要な水準にいると言えます。101円を明確に割り込み、今年2月に記録した100円77銭前後をブレイクすると100円割れも視野に入ってくるからです。もっとも、それにはさらに日本の株価の低迷や米長期金利の低下、あるいは「アベノミクス」そのものに対する期待感の後退など、円買い材料が必要だと思われます。
米長期金利は依然として低水準で推移していますが、それでも2.5%割れでは警戒感もあり下げ止まっています。問題は6月に発表される、「アベノミクス」の第三の矢である、成長戦略の中身です。法人税減税、GPIFの運用方針、さらには大詰めを迎えているTPPなどが挙げれます。ここで市場を納得させられる結果を出さないと、円が買われ、株価の大幅安につながる恐れがあります。
そう考えると円高バイアスはあるものの、現在の足許の円高傾向はそれほどスピードのあるものではないと予想しています。本日のレンジは101円~101円80銭と、昨日と余り変わらないと見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
特段目だった材料もない中、ドル円は緩やな下落基調となり、一時約3ヶ月半振りのドル安円高となる101円11銭をつける。(欧州市場では101円10銭を記録)その後は株高と長期金利が小幅に上昇したことで、101円50銭を超える水準まで買い戻されこの日の高値圏で引ける。
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2014-05-20 09:30