ジャパンフーズはボックスレンジ下限から反発のタイミング

■15年3月期増収増益見通しや割安感を評価   飲料受託生産大手のジャパンフーズ <2599> の株価は1200円~1300円近辺でのボックス展開が続いているが、足元ではレンジ下限に到達した形だ。今期(15年3月期)増収増益見通しや指標面の割安感を評価して反発のタイミングだろう。   伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、ファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。主要得意先はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> などの大手飲料メーカーで、容器別ではペットボトルが主力だ。   4月24日に中期経営計画「JUMP2015」についてのレビューと見直しを発表した。コアビジネス(国内飲料受託製造事業)の収益拡大、新規ビジネス(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品)の着実な推進を基本戦略として、定量計画には15年度(イメージ)売上高390億円、営業利益15億50百万円、経常利益15億円、純利益10億円を掲げている。   コアビジネス(国内飲料受託製造事業)では、飲料メーカーとの関係強化や魅力ある製品の受託製造数量の増加、市場変化や顧客ニーズへの的確な対応、生産効率の向上とコスト競争力の強化、季節変動への対応として製造体制見直しやコスト削減などを進めている。中期経営計画に基づく積極投資で、12年7月に本社工場で世界最新鋭の炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン(Eライン)が稼動し、14年3月には既存大型ペットボトルライン(Tライン)も設備更新で炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン化した。   新規ビジネス(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品)では、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率を引き上げている。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。   4月24日に発表した前期(14年3月期)の業績(非連結)は、売上高が前々期比3.5%減の320億42百万円、営業利益が同25.2%増の9億32百万円、経常利益が同18.2%増の9億44百万円、純利益が同2.6%減の4億83百万円だった。配当予想は前々期と同額の年間27円(第2四半期末10円、期末17円)とした。   13年9月~11月の飲料メーカーの在庫調整や14年2月の雪害の影響で製造数量が計画を下回り、燃料価格や電力料金の上昇といったコストアップ要因も影響して、売上高・各利益とも計画を下回った。純利益は炭酸・非炭酸兼用の無菌充填ライン増設に伴う既存設備除却損の特別損失計上も影響した。ただし、比較的加工賃の高い製品の受注増加や製造コスト低減などの効果で営業増益、経常増益だった。   なお、受託製造量は同0.5%増の48万1741キロリットル、ケース数は同0.7%減の4730万4千ケースだった。また容器別受託製造量(ケース数)は缶飲料が同19.7%減少したが、ペットボトル飲料が同6.0%増加、びん飲料が同11.7%増加となり、品目別受託製造量(ケース数)は主力の炭酸飲料が同6.7%増加、茶系飲料が同6.3%増加し、酒類飲料と果実飲料が減少した。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比6.4%増の341億円、営業利益が同36.2%増の12億70百万円、経常利益が同37.6%増の13億円、純利益が同55.1%増の7億50百万円としている。配当予想は前期と同額の年間27円(第2四半期末10円、期末17円)とした。   受託製造数量は主力の炭酸飲料や茶系飲料が好調に推移し、炭酸・非炭酸兼用の無菌充填ラインによる増産・生産性上昇効果、閑散期(10月~2月)への対応策などで増収増益見込みだ。純利益は特別損失の一巡も寄与する。通期ベースで好業績が期待されるだろう。   株価の動きを見ると、概ね1200円~1300円近辺のレンジでボックス展開が続いている。4月24日には今期増収増益見通しを好感して1348円まで上値を伸ばす場面があったが、買いが続かず反落し、水準を切り下げて5月16日には1202円まで調整する場面があった。地合い悪化が影響したようだ。   5月16日の終値1206円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS155円51銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.2%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1485円56銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると足元の反落で26週移動平均線を割り込んだが、1200円近辺のボックスレンジ下限に到達して反発のタイミングだろう。指標面の割安感も支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手のジャパンフーズ<2599>(東1)の株価は1200円~1300円近辺でのボックス展開が続いているが、足元ではレンジ下限に到達した形だ。
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2014-05-20 09:30