成学社は15年3月期営業増益見通しを評価して反発のタイミング
学習塾の成学社 <2179> (JQS)の株価は、3月の戻り高値圏800円近辺から配当権利落ちや地合い悪化の影響で反落し、概ね740円~760円近辺でのモミ合い展開となった。ただし足元では下値固め完了感を強めている。今期(15年3月期)増収営業増益見通しを評価して反発のタイミングだろう。
事業ドメインに「大学進学までの小中高一貫教育を基本とする学習塾」を掲げ、大阪を地盤として近畿圏に学習塾「開成教育グループ」を展開している。指導形態別には、クラス指導部門の「開成教育セミナー」「京大セミナー」「エール進学教室」など、個別指導部門の「個別指導学院フリーステップ」「ハイグレード個人指導ソフィア」「代ゼミサテライン予備校」などを展開し、14年3月末時点の教室数は合計214教室となった。
中期戦略としては、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」、子会社アプリスが展開する家庭教師派遣「スコーレ」、英会話教室運営、学校法人等への講師派遣、子会社の個夢が運営する個別学習塾「アイナック」も通じて、総合教育企業への発展を目指している。
5月15日に発表した前期(14年3月期)の連結業績は売上高が前々期比3.5%増の100億32百万円、営業利益が同20.5%減の5億17百万円、経常利益が同21.4%減の5億10百万円、純利益が同5.5%減の3億09百万円だった。教育関連事業は概ね堅調に推移したが、先行投資負担や飲食事業の不調が影響して減益だった。配当予想は年間9円20銭(第2四半期末4円60銭、期末4円60銭)とした。
セグメント別の動向を見ると、教育関連事業は売上高が同3.9%増の98億09百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同13.1%減の9億23百万円だった。新規開校15教室、閉鎖1教室、移転・統合2教室で期末教室数は214教室(前々期末は202教室)となった。塾生数はクラス指導部門が減少したが、個別指導部門が増加した。売上面では個別指導部門の塾生数増加や、クラス指導部門の1人当たり単価上昇で増収だった。利益面では新規開校や「個別指導学院フリーステップ」のFC展開強化に向けた先行投資負担で減益だった。
飲食事業は売上高が同11.1%減の1億69百万円、営業利益が10百万円の赤字(前々期は9百万円の利益)だった。競合店の増加などで厳しい状況が続いているようだ。不動産賃貸事業は売上高が同3.0%減の53百万円、営業利益が同11.4%減の50百万円だった。
今期(15年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比5.5%増の105億84百万円、営業利益が同14.1%増の5億90百万円、経常利益が同11.4%増の5億68百万円、純利益が同2.8%減の3億円としている。配当予想は同30銭増配の年間9円50銭(第2四半期末4円75銭、期末4円75銭)とした。
教育関連事業は新規開校15教室程度、グループ塾生数2万6132人(ピークとなる11月時点で前年同月比651人増加)の計画で、個別指導部門では塾生数の増加、クラス指導部門では塾生数が減少するが1人当たり単価上昇を見込んでいる。人件費の増加、広告宣伝費の増加や「個別指導学院フリーステップ」のFC展開強化に向けた先行投資負担などを、増収効果で吸収して営業増益見込みだ。
株価の動きを見ると、戻り高値圏800円近辺でのモミ合い展開から、配当権利落ちや地合い悪化の影響などで3月27日に737円まで急反落し、その後も概ね740円~760円近辺でのモミ合い展開が続いている。ただし3月27日の直近安値を割り込む動きは見られない。下値固めがほぼ完了したようだ。
5月20日の終値741円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円31銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円50銭で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS376円20銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋っている。下値固めが完了して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
IT情報管理やマーケティングなどのパイプドビッツ<3831>(東1・売買単位100株)は急反発の始まりとなり、売買開始後に1339円(54円高)。
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2014-05-21 07:15