ジョルダンは下値を切り上げてモミ合い上放れの動き
経路検索ソフト「乗換案内」のジョルダン <3710> (JQS)の株価は徐々に下値を切り上げて、足元ではモミ合いから上放れの動きを強めている。今期(14年9月期)利益見通し再増額の可能性もあり、13年12月の戻り高値を試す展開だろう。
乗換案内事業(無料版「乗換案内」、有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」、総合旅行サービス「乗換案内トラベル」、および広告、グルメ・運行情報サービスなど)を主力として、マルチメディア事業(電子出版・紙媒体出版、ニュース、教育、その他コンテンツ)や、その他事業(受託ソフトウェア開発、その他新サービス)も展開している。有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」の14年3月末有料会員数は約52万人に達している。
「移動に関するNO.1情報プロバイダー」を目指し、新サービス開発や機能充実に向けてM&Aやアライアンス戦略も活用している。12年9月にグルメぴあネットワークを子会社化(13年4月吸収合併)し、12年11月にはネット旅行販売・情報提供のイーツアーを子会社化した。一方ではマルチメディア事業で不採算事業からの撤退を進めるとともに、新たな採算事業を模索している。
5月14日に発表した今期(14年9月期)第2四半期累計(13年10月~14年3月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.3%減の21億37百万円、営業利益が同34.4%増の3億37百万円、経常利益が同39.5%増の3億61百万円、純利益が同6.2倍の2億25百万円だった。売上高は減少したが概ね計画水準だった。そして販管費削減効果が想定以上となり、持分法投資利益や負ののれん発生益も寄与して、各利益は計画を大幅に超過達成した。
セグメント別(内部取引・全社費用等調整前)に見ると、乗換案内事業は売上高が同2.7%増の20億36百万円、営業利益が同7.7%増の5億28百万円だった。モバイル向けが減少したが、法人・自治体向けの大型案件の受注・納品が順調に進んだ。ネット旅行販売・情報提供のイーツアーの連結も寄与した。マルチメディア事業は売上高が同91.1%減の19百万円、営業利益が38百万円の赤字(前年同期は81百万円の赤字)だった。EXCBの連結除外で大幅減収だが、営業費用も減少して赤字幅が縮小した。その他事業は売上高が同7.7%増の1億円、営業利益が13百万円(同2百万円の赤字)だった。受託ソフトウェアの開発案件が完了して黒字化した。
通期の見通しについては5月14日に利益を増額修正した。売上高は前回予想を据え置いて前期比0.9%増の43億50百万円、営業利益は30百万円増額して同18.0%増の5億60百万円、経常利益は40百万円増額して同23.8%増の5億50百万円、純利益は40百万円増額して同28.9%増の3億40百万円としている。主力の乗換案内事業で法人向けが好調に推移して、ネット旅行販売・情報提供のイーツアーの通期連結も寄与する。
第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が60.2%、経常利益が65.6%、純利益が66.2%と高水準であり、通期利益は再増額の可能性があるだろう。また中期的には20年東京夏季五輪に向けて需要が拡大し、収益拡大基調が期待される。
株価の動きを見ると、やや小動きで上値が重く600円台前半のレンジでモミ合う展開だが、2月以降は2月安値581円、3月安値605円、4月安値615円、5月7日安値626円と徐々に下値を切り上げて、足元は戻り高値圏の630円~640円近辺で推移している。今期増益見通しを評価する動きだろう。
5月20日の終値636円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS65円14銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS692円22銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって徐々に下値を切り上げ、足元ではモミ合いから上放れの動きを強めている。強基調に転換して13年12月の戻り高値700円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
経路検索ソフト「乗換案内」のジョルダン<3710>(JQS)の株価は徐々に下値を切り上げて、足元ではモミ合いから上放れの動きを強めている。
economic
2014-05-21 07:30