ライドオン・エクスプレスは今期増収増益見通しで反発のタイミング

  フードデリバリー事業のライドオン・エクスプレス <6082> (東マ)の株価は軟調展開が続いているが、足元では売られ過ぎ感を強めている。調整のほぼ最終局面であり、今期(15年3月期)増収増益見通しを評価して反発のタイミングだろう。   自社ブランドの宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜虎」、シニア向け宅配弁当「銀のお弁当」、宅配とんかつ「あげ膳」、宅配カレー「カレーキャリー」のフードデリバリー事業(調理済み食材宅配事業)を全国展開し、提携レストラン宅配代行サービスの「ファインダイン」事業や、その他事業としてアート創作サービス「リトルアーティスト」も展開している。14年4月には「銀のさら」よりも低価格の新ブランド宅配寿司「ろくめいかん(鹿鳴館)」をオープンした。   団塊~シニア層向けにビッグデータを活用し、宅配寿司・釜飯カテゴリーにおいて圧倒的な市場シェアとブランド力を誇っている。14年2月にはシルバーライフと業務提携した。同社は高齢者向け配食サービス「まごころ弁当」を全国362店舗(14年1月末現在、FC店舗含む)展開し、商品供給の自社工場も運営している。高齢者向け宅配弁当市場で両社のノウハウ・宅配拠点・供給工場等を最大限活用する。   直営店とFC店を戦略的に配分し、1拠点で複数ブランド店舗を展開していることも特徴だ。前期(14年3月期)末の宅配拠点数は直営84拠点とFC287拠点の合計371拠点、ブランド別店舗数は主力の「銀のさら」365店舗および「釜虎」186店舗など、直営159店舗とFC414店舗の合計573店舗である。   フードデリバリー市場は高齢人口の増加、女性の社会進出による家庭内調理時間の減少、小規模世帯の増加などを背景として拡大基調であり、中期成長戦略として宅配寿司「銀のさら」を核とした拠点数の増加、1拠点で複数ブランド店舗を運営する複合化戦略の推進、ビッグデータ分析も活用した新商品・新サービスの開発、ファインダイン事業の展開加速、デリバリーネットワーク戦略(BtoC型デリバリープラットフォームの構築)などを掲げている。店舗の立地・面積・設備などの制約を受けにくい優位性も発揮して、中期的に収益拡大基調だろう。   5月15日に発表した前期(14年3月期)の業績(非連結)は、売上高が前々期比2.1%増の164億70百万円、営業利益が同69.2%増の9億17百万円、経常利益が同70.9%増の9億10百万円、純利益が同2.2倍の5億04百万円だった。宅配事業が堅調に推移し、食材仕入改善なども寄与して大幅増益だった。売上総利益率は45.5%で同2.5ポイント上昇した。   セグメント別に見ると、宅配事業の売上高は同2.1%増の164億54百万円だった。「銀のさら」4店舗、「釜虎」7店舗、宅配代行業態「ファインダイン」5店舗の新規出店、テレビCM・DM・WEBによる販促活動、介護施設への販促活動、ファインダイン事業における提携レストランの新規獲得や配達効率改善などが寄与した。その他事業の売上高は同29.1%減の16百万円だった。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比1.8%増の167億73百万円、営業利益が同12.8%増の10億35百万円、経常利益が同13.1%増の10億30百万円、純利益が同19.1%増の6億円としている。引き続き同一拠点内での別ブランド出店による複合化推進、テレビCM・計画的DM・WEB限定キャンペーンなどによる販促強化、食材仕入の改善、ファインダイン事業の配達効率化などを推進して増収増益見込みだ。   株価の動き(13年12月公開価格2000円に対して初値3105円、上場来高値14年1月3835円)を見ると、4月16日の1905円から4月28日の2441円まで急反発して底打ちに見えたが、反落して再び軟調展開となった。5月20日には1606円まで下押す場面があった。新興市場全体の軟調ムードが影響しているようだ。ただし5月20日は終値では1740円まで戻して底打ち感を強めている。   5月20日の終値1740円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS129円18銭で算出)は13~14倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS533円48銭で算出)は3.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。また5月20日は下ヒゲを付けて目先的に底打ち感を強めている。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
フードデリバリー事業のライドオン・エクスプレス<6082>(東マ)の株価は軟調展開が続いているが、足元では売られ過ぎ感を強めている。
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2014-05-21 09:00