イーグランドは売られ過ぎ感強めて急反発、中期成長力を評価して出直り
中古マンション再生事業のイーグランド <3294> (JQS)の株価は軟調展開が続いている。消費増税の影響懸念に加えて新興市場全体が軟調なことも影響しているようだ。しかし足元では売られ過ぎ感を強めている。5月20日に急反発して、5月19日安値で底打ちした可能性もあり、中期成長力を評価して出直り展開が期待される。
03年9月の設立で、07年8月現社名に商号変更し、13年12月JASDAQ市場に新規上場した。首都圏を地盤とする中古マンション・戸建住宅の再生事業を主力として、その他不動産事業(不動産賃貸、リフォーム工事請負など)も展開している。
中古住宅再生事業は、若年ファミリー層など初めて住宅を購入する層をメインターゲットに、ボリュームゾーンである2000万円以下の低価格帯居住用物件の取り扱いを主力としている。仕入れた中古物件へのリフォーム施工、個別物件の状況に合わせた家具付き販売の実施、最低10年のアフターサービス保証などで他社物件との差別化を図っていることが特徴だ。
中期成長に向けて仕入力を強化するとともに、10年3月に札幌支店、11年11月に宇都宮支店を開設して事業エリア拡大戦略を開始した。14年3月には新たな事業拠点として関西支店を開設(業務開始は5月)した。さらに不動産賃貸事業も強化する方針だ。
5月12日に発表した前期(14年3月期)の業績(非連結)(2月12日に増額修正)は、売上高が前々期比35.3%増の125億23百万円、営業利益が同2.4倍の11億97百万円、経常利益が同3.0倍の9億52百万円、純利益が同66.4%増の5億83百万円だった。物件販売件数の増加や売上総利益率の上昇が寄与して大幅増収増益となり、売上高・各利益とも2月の増額修正値を超過達成した。売上総利益率は18.7%で同3.1ポイント上昇した。なお配当予想は前回予想にJASDAQ上場記念配当10円を増額して年間40円(期末一括)とした。
セグメント別の動向を見ると、中古住宅再生事業の売上高は同35.2%増の123億93百万円だった。物件仕入件数は同165件(28.3%)増加して749件、物件販売件数は同138件(27.1%)増加して648件となった。首都圏の競売および任売による仕入が伸び、販売も大幅に増加した。その他不動産事業の売上高は同46.5%増の1億29百万円だった。賃料収入が増加した。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは、売上高が前期比26.8%増の158億85百万円、営業利益が同3.0%増の12億32百万円、経常利益が同6.6%増の10億15百万円、純利益が同7.8%増の6億29百万円としている。消費増税の影響で一時的に減速するが、中古再生住宅に対する需要は旺盛であり、関西支店の開設も寄与して増収増益見込みとしている。なお配当予想は記念配当を普通配当として前期と同額の年間40円(期末一括)とした。
株価の動き(13年12月公開価格3300円に対して初値4200円)を見ると、水準を切り下げて軟調展開が続いている。5月19日には上場来安値となる2126円まで水準を切り下げた。消費増税の影響懸念に加えて、新興市場全体が軟調なことも影響しているようだ。しかし5月20日には一転して2280円まで急反発する場面があり、終値でも2250円まで戻した。売られ過ぎ感を強めて底打ちした可能性があるだろう。
5月20日の終値2250円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS400円27銭で算出)は5~6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.8%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2491円29銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%程度まで拡大し、売られ過ぎ感を強めて反発した形だ。5月19日安値で底打ちした可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中古マンション再生事業のイーグランド<3294>(JQS)の株価は軟調展開が続いている。消費増税の影響懸念に加えて新興市場全体が軟調なことも影響しているようだ。
economic
2014-05-21 09:15