モブキャストは売られ過ぎ感、6月のサッカーW杯も材料視の可能性
スポーツ分野ソーシャルゲームのモブキャスト <3664> (東マ)の株価は軟調展開が続いているが、足元では売られ過ぎ感も強めている。営業損益は改善基調であり、一旦は反発のタイミングだろう。6月開催予定のサッカーW杯・ブラジル大会が接近して材料視される可能性もあるだろう。
プロ野球ゲーム「モバプロ」やサッカーゲーム「モバサカ」など、スポーツ分野に特化したモバイルスポーツメディア「mobcast」運営とソーシャルゲーム開発・配信を展開している。経営資源をモバイルエンターテインメント事業に集中する方針を掲げ、14年2月に子会社モブキャストグローバルのPCオンラインゲーム事業を譲渡し、14年4月にはモブキャストグローバルを当社に吸収合併した。
自社ゲーム開発を強化するとともに、プラットフォームを開放して外部ディベロッパー製のゲーム配信と海外展開も強化している。13年4月には韓国でも「mobcast」をオープンして「モバサカ」の配信を開始した。13年8月には世界有数のモバイルゲームディストリビューターであるブースターメディア(オランダ)と業務提携、13年12月には韓国のモバイルゲーム大手COM2USと業務提携した。
5月8日に発表した今期(14年12月期)第1四半期(1月~3月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.0%減の11億07百万円、営業利益が同49.8%増の1億65百万円、経常利益が同35.6%増の1億49百万円、純利益が同70.5%減の13百万円だった。事業譲渡や不採算タイトル配信停止などの影響で減収だったが、固定費の削減や広告費コントロールの効果などで営業増益、経常増益だった。純利益は特別損失計上や法人税等調整額の影響で減益だった。
なお四半期ベースで見ると、前期第4四半期(13年10月~12月)の営業赤字3億01百万円との比較で、今期第1四半期の営業利益は4億66百万円増加した。営業損益は前期第4四半期で底打ちした可能性があるだろう。
「mobcast」プラットフォーム会員数(日本と韓国の合計)は第1四半期に約30万人増加して520万人を突破した。第1四半期には自社開発ゲーム「モバプロ2014年度版」の配信を開始し、また「モバサカMGC日韓戦」も好調だった。パートナーゲームは6タイトルを追加し、課金流通額は順調に増加しているようだ。
通期の見通しについては前回予想(2月7日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.3%増の53億円、営業利益が1億円(前期は4億45百万円の赤字)、経常利益が1億円(同4億04百万円の赤字)、純利益が1億円(同6億57百万円の赤字)の黒字化としている。第1四半期の営業利益と経常利益は通期見通しを超過達成しているため増額期待が高まるが、第2四半期(4月~6月)以降の新規タイトルの寄与度が判明次第開示するとしている。
今期の重点戦略はサッカー分野に経営資源を集中して、サッカーゲーム6タイトルを世界25カ国で展開する方針だ。会員数の増加、前期第4四半期にリリースした新タイトルの本格寄与と今期の新タイトル積極投入、ブースターメディア(オランダ)との業務提携、新規開発に係る業務委託費削減、長期固定広告削減などの効果が寄与して営業損益は改善基調が期待される。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して軟調展開が続いている。3月27日662円から4月4日888円、4月22日921円まで戻して一旦は底打ちに見えたが、反落して再び安値更新の展開となった。新興市場全体の軟調ムードも影響しているようだ。5月21日には613円まで下押す場面があった。ただし足元では売られ過ぎ感も強めている。
5月21日の終値638円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円20銭で算出)は89倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS131円96銭で算出)は5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。営業損益改善基調であり、一旦は反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
スポーツ分野ソーシャルゲームのモブキャスト<3664>(東マ)の株価は軟調展開が続いているが、足元では売られ過ぎ感も強めている。
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2014-05-22 09:30