きちりは中期成長力を評価して13年12月高値目指す

  飲食店チェーンと飲食店運営プラットフォーム事業を展開するきちり <3082> の株価は、東証1部市場への指定替えも好感して急伸し、その後も戻り高値圏で堅調に推移している。中期成長力を評価して13年12月高値を目指す展開だろう。   カジュアルダイニング「KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」を主力業態とする直営店の自社ブランド展開事業、および飲食店運営プラットフォーム提供や飲食店受託運営などで他業種企業のブランド・コンテンツを活用するプラットフォームシェアリング事業を展開している。   自社ブランド展開事業は、13年12月末時点で直営71店舗(関西エリア44店舗、関東エリア27店舗)を展開し、新業態開発にも取り組みながら、出店余地の大きい首都圏への新規出店戦略を強化している。14年3月には新業態「igu&peace」を出店した。   プラットフォームシェアリング事業は、当社が他の飲食店チェーンなどに労務管理・会計・調達・1次加工・配送・取引先紹介などの本部機能を提供するクラウドサービス展開型、および優れたブランド・コンテンツを持つ企業と業務提携し、当社のプラットフォームを活用して新しいレストランビジネスを創造するブランド・コンテンツ活用型を展開している。   クラウドサービス展開型では参画企業・店舗数の増加に伴ってスケールメリットを享受でき、ブランド・コンテンツ活用型では独自性ある業態を開発できるなどのメリットがある。そして13年2月に精米機トップメーカーで「ギャバライス」ブランドのサタケ、13年4月にイタリアのバックブランド「オロビアンコ」、13年5月に福岡県「はかた地どり」生産者の農業組合法人福栄組合と業務提携している。   中長期ビジョンでは、自社ブランド展開事業およびプラットフォームシェアリング事業を軸として展開し、目標値として18年6月期売上高100億円、営業利益15億円、経常利益16億円、純利益10億円、配当性向30%(当面は20%)を掲げている。事業別には自社ブランド展開事業が100店舗で売上高94億円、プラットフォームシェアリング事業が契約店舗数500店舗(契約売上規模300億円)で営業利益6億円を目標としている。   5月9日に発表した今期(14年6月期)第3四半期累計(7月~3月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比10.3%増の51億50百万円、営業利益が同15.1%減の3億63百万円、経常利益が同12.6%減の3億90百万円、純利益が同9.5%減の2億32百万円だった。積極的な新規出店効果などで2桁増収だった。利益面では、売上総利益率は原材料価格が高騰する状況下でも食材調達の工夫などで前年同期と同水準を維持したが、新規出店などの先行投資負担で販管費が増加したため減益だった。   通期見通しは前回予想(1月24日に減額)を据え置いて、売上高が前期比14.1%増の71億円、営業利益が同4.5%減の5億40百万円、経常利益が同4.2%減の5億80百万円、純利益が同1.1%増の3億48百万円としている。天候不順の影響などで、通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が72.5%、営業利益が67.2%、経常利益が67.2%、純利益が66.7%とやや低水準だが、自社ブランド展開事業の新規出店効果やプラットフォームシェアリング事業の拡大などで2桁増収見込みだ。   配当予想については5月9日に記念配当実施による増額修正を発表した。前回予想の年間7円50銭(期末一括)に東証1部市場指定記念配当2円50銭を増額して年間10円(期末一括)とした。前期との比較でも株式分割を考慮すると実質的に2円50銭増配となる。   株価の動き(14年5月8日付けで東証1部市場に指定替え)(13年7月1日付で株式3分割、14年1月1日付で株式2分割)を見ると、4月30日発表の東証1部市場への指定替えを好感して、4月30日終値463円から5月1日に512円、そして5月7日に520円まで上伸する場面があった。その後は第3四半期累計の減益を一時的に嫌気する場面もあったが、概ね500円近辺で堅調に推移している。今期配当予想の増額修正も好感されているようだ。   5月21日の終値502円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS34円28銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形となり、週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。強基調に転換して13年12月高値612円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲食店チェーンと飲食店運営プラットフォーム事業を展開するきちり<3082>(東1)の株価は、東証1部市場への指定替えも好感して急伸し、その後も戻り高値圏で堅調に推移している。
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2014-05-22 09:30