レアアースをめぐる、「日米欧との争い」・・・再び敗訴すれば「調整迫られる」の危機感=中国メディア

世界貿易機関(WTO)が中国のレアアース(希土類)輸出規制は不当と判断したことについて、中国はWTOに上訴文書を提出した。中国メディアの中研網は20日、「中国が再び敗訴すれば、レアアースをめぐるわが国の政策が調整を迫られる可能性がある」と伝えた。
WTOが中国のレアアース輸出制限は不当と判断したのは3月26日だったが、中国は4月17日にはWTOに上訴文書を提出、不当との判断を撤回するよう求めた。
「工業のビタミン」とも称されるレアアースは軽希土類、重希土類の2つに分類され、一口にレアアースと言っても価格は元素によってさまざまだ。ハイテク製品に必要不可欠な物質としてレアアースが中国で戦略資源とされてきたことについて、記事は「ハイテク製品に必要不可欠な物質であることこそ、日米欧などがレアアースの輸出割当と関税にこだわる理由でもある」と主張した。
米国は中国よりも前にすでにWTOへ上訴しており、記事は「レアアースをめぐる争いは国家間の利益をめぐる勝負である」とする一方、中国が敗訴すれば1998年から実施されてきたレアアースの輸出割当制度の終了と、レアアース業界に対する一連の政策が調整を迫られる可能性があると伝えた。
一方で記事は、中国が実施しているレアアースの輸出割当制度は外国企業にとって不利となるものではないと主張、中国レアアース産業協会の陳占恒副秘書長の話として、「米国やオーストラリアでもレアアースの採掘が行われている今、わが国の輸出割当が撤廃されればレアアース価格が下落し、世界のレアアース業界は厳しい競争に直面することになる」と危機感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Thomas Becker /123RF.COM)
世界貿易機関(WTO)が中国のレアアース(希土類)輸出規制は不当と判断したことについて、中国はWTOに上訴文書を提出した。中国メディアの中研網は20日、「中国が再び敗訴すれば、レアアースをめぐるわが国の政策が調整を迫られる可能性がある」と伝えた。(イメージ写真提供:(C)Thomas Becker /123RF.COM)
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2014-05-22 14:00