アンジェスMGは5月22日の急反発で目先的な底入れ感

■成長の第2ステージ入りを見直し   バイオ製薬ベンチャーのアンジェスMG <4563> (東マ)の株価は新興市場の地合い悪化も影響して軟調展開だったが、5月22日に急反発して目先的な底入れ感を強めている。次世代バイオ医薬品の製品化に向けた成長の第2ステージ入りを見直して反発のタイミングだろう。   99年設立(04年現社名に商号変更)の大阪大学発バイオ製薬ベンチャーである。遺伝子医薬(遺伝子治療薬や核酸医薬など)および治療ワクチンなど次世代バイオ医薬品に関する研究開発を中核とした事業を展開している。08年4月からは難病のムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の国内での販売を開始した。進行中のプロジェクトが順次製品化に近づいて、研究開発の第1ステージから商業化に向けた第2ステージに入った。中期的には「遺伝子医薬のグローバルイノベーター」を目指している。   虚血性疾患治療剤「コラテジェン」(HGF遺伝子治療薬)については臨床の最終段階に入り、米国で国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施予定だ。第一三共 <4568> に対して、末梢性血管疾患および虚血性心疾患分野の国内独占的販売権を付与する契約を締結している。契約に基づいて開発の進捗に伴う事業収益を計上し、国内において上市された際には売上高の一定率をロイヤリティとして受け取る。同様に田辺三菱製薬 <4508> に対しては、末梢性血管疾患を対象とした米国における独占的販売権を付与する契約を締結している。   炎症を抑える核酸医薬「NF-kBデコイオリゴ」を用いたアトピー性皮膚炎治療薬については、塩野義製薬 <4507> と共同開発を進めているが、5月2日に開発戦略の変更を発表した。現行の製剤については第II臨床試験に進まず、臨床開発の成功確率を高める目的で新たな製剤技術の検討を行うとしている。   5月15日には、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に、当社の虚血性疾患治療剤「コラテジェン」のプロジェクト「HGF プラスミドを用いたリンパ浮腫治療薬の臨床開発」が採択されたと発表している。助成金は来期(15年12月期)に受領する予定だ。   5月9日に発表した今期(14年12月期)第1四半期(1月~3月)の連結業績は、事業収益(売上高)が前年同期比34.3%増の82百万円、営業利益が4億76百万円の赤字(前年同期は3億28百万円の赤字)、経常利益が4億36百万円の赤字(同3億37百万円の赤字)、純利益が4億38百万円の赤字(同3億66百万円の赤字)だった。   商品売上高(ムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の販売収入)が55百万円となって同6.4%増収だったが、研究開発事業収益(提携企業からの開発協力金)が27百万円となって同60.3%減収だった。連結子会社だったジェノミディア(13年1月に株式譲渡)のロイヤリティ収入がなくなったことが影響した。なお研究開発費は3億60百万円で同57.9%増加した。   通期の連結業績見通しは前回予想(2月7日公表)を据え置いて、事業収益が7億50百万円~8億50百万円、利益は営業利益、経常利益、純利益とも24億円の赤字~26億円の赤字としている。事業収益はムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の販売数量増加、および提携企業からの契約一時金の計上で増収見込みだが、虚血性疾患治療剤「コラテジェン」の国際共同第Ⅲ相臨床試験が本格的に始まることに伴って、研究開発費が大幅に増加するため赤字が拡大する見込みだ。   株価の動きを見ると、新興市場の地合い悪化も影響して軟調展開が続いている。5月21日には330円まで下押す場面があった。ただし5月22日には一転して終値で前日比32円(9.47%)高の370円まで急反発した。売りが一巡して目先的には底入れした可能性があるだろう。戻りを押さえている25日移動平均線を突破すれば反発の動きに弾みがつきそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
バイオ製薬ベンチャーのアンジェスMG<4563>(東マ)の株価は新興市場の地合い悪化も影響して軟調展開だったが、5月22日に急反発して目先的な底入れ感を強めている。
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2014-05-23 09:15