60年目の「都内でホタル観賞」、限定プランも=ホテル椿山荘東京

ホテル椿山荘東京(東京都文京区)は20日、今年で60回目となる、ホタル観賞イベントと、同イベントにちなんだ限定プラン「~Linkする~ ほたるの夕べ」の提供を開始した。(画像提供:ホテル椿山荘東京)
同ホテルの庭園は「大都会の緑のオアシス」として東京都民や東京を訪れる人に親しまれてきた。同庭園のホタルは60年前から毎年、人々を楽しませ続けている。60年前と言えば、高度成長期のまっただなかだ。“椿山荘のホタル”は、「東京の中心部でもきちんと努力をすれば、自然のすばらしさを保存することができる」と、人々を勇気づけてくれた存在でもあった。
ホテル椿山荘東京ではこれまで、ゲンジボタルが産卵から飛翔まで、自生・生息できる環境作りに取り組んできた。専門家の指導を受け、ホテルの庭園内を流れる沢の水質の改善などに尽力。2002年には、敷地内に地下150メートルから流出するミネラル分豊富な秩父山系の湧水を利用した、本格的な飼育施設(プラント)を設置した。過去数年間は活動の成果が表れ、庭園内に自生するほたるも増えてきたという。
同ホテルではさらに、ホタルの初飛翔について2010年から「500度説」という仮説を検証する観測を行っている。同ホテルのホタルはゲンジボタルやヘイケボタルで、幼虫は水生だ。陸に上がるのは桜(ソメイヨシノ)が散る時分の4月中旬の雨の夜が多い。その翌日から「1日の平均気温(摂氏)」を積算(加算)していって、500度に達した時に、ホタルの初飛翔が観測できるという説だ。
ちなみに、検証を始めた2010年から12年までは、ほぼ「500度説」通りに初飛翔が観測できた。しかし昨年(13年)は前日積算温度が644.2度になった5月17日に初飛翔を観測。同年は桜の開花も早いなど気象条件がやや異なった。今年は前日積算温度が521.0度となった5月18日に初飛翔を確認。「500度説」がおおむねあてはまる結果だった。来年以降も引き続き、「500度説」を検証しながら、「ホタルのいる風景」を多くの人に届けつづける考えだ。
ホテル椿山荘東京は「ホタル観賞とあわせてお楽しみいただきたい」として、5月20日から7月13日までの期間限定で「~Linkする~ ほたるの夕べ」を実施中だ。「ほたるの夕べ ディナーブッフェ」は、5月の平日には割引価格で利用できる。さらに「ほたるステイプラン」も用意し、6月26、27日には「ほたるとスタンダードジャズを楽しむ夕べ」を開催する。
庭園内でホタルが観賞できるのは、ゲンジボタルの場合は「ほたる沢」、ヘイケボタルは「古香井(ここうせい)」。さらに、天候に左右されず、いつでもホタルが観賞できるよう「ほたるの洞窟ビオトープ」と「木春堂ビオトープ」を設置した。うち「木春堂ビオトープ」は初めての試みだ。
同ホテル庭園では例年5月中旬ごろにはホタルの初飛翔を観測しており、都内でも、いち早くほたるが楽しめるスポットだ。ホタルは「夏の夜」のイメージが強いが、同ホテルによると、5月下旬-6月中旬も鑑賞のお勧めの時期という。6月初旬からは、ホタルとアジサイを合わせて楽しむことができる。ホタルは特に、雨の日の翌日に活動が活発になるという。(編集担当:中山基夫)
ホテル椿山荘東京(東京都文京区)は20日、今年で60回目となる、ホタル観賞イベントと、同イベントにちなんだ限定プラン「~Linkする~ ほたるの夕べ」の提供を開始した。(画像提供:ホテル椿山荘東京)
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2014-05-23 09:00