【為替本日の注目点】株価反発でドル円底割れ回避、再び円買いが強まる可能性も
NY市場
株価の大幅な反発に加え、中国製造業PMIが予想を上回ったことでドル円はアジア市場から上昇。NY市場でも101円82線まで買われ、前日の100円台後半からは1円のドル高円安が進行。
ドル高の流れはユーロドルにも波及。ユーロドルはECBが積極的な緩和策を打ち出すとの見方もあり、1.3645まで下落する。
株式市場は続伸。経済指標は概ね予想通りだったが、中国の経済指標の好転などもありダウは小幅に続伸し、ナスダックは22ポイント上昇。
債券相場は続落。株式市場の上昇を背景に、やや売り物優勢の流れが見られたものの、一進一退の展開だった。
金は反発し、原油は反落。
新規失業保険申請件数 → 32.6万件
4月中古住宅販売件数 → 46.5万件
4月景気先行指標総合指数 → +0.4%
ドル/円 101.55 ~ 101.82
ユーロ/ドル 1.3645 ~ 1.3674
ユーロ/円 138.70 ~ 139.01
NYダウ +10.02 → 16,543.08ドル
GOLD +6.90 → 1,295.00ドル
WTI -0.33 → 103.74ドル
米10年国債 +0.020 → 2.554%
本日の注目イベント
中 中国 1月コンファレンスボード景気先行指数
独 独1-3月期GDP(改定値)
独 独5月ifo景況感指数
米 4月新築住宅販売件数
加 カナダ4月消費者物価指数
昨日午前中に発表された中国製造業のPMIが「49.7」と、好不況の分かれ目である「50」は下回ったものの、5ヶ月振りの改善傾向を示したことで、株高が進み、「リスクオン」の流れからドル円は101円76銭まで上昇しました。この流れはNY市場にも引き継がれ、ドル円は堅調に推移しています。
前日の海外市場では100円81銭まで売られたドル円が一日でちょうど1円も反発したことになったわけですが、このままま上昇を続けることはないにしても、100円台後半が底堅いことが再度確認された形です。100円~103円のレンジが形成されていると見られ、方向感のないレンジ相場からはまだ抜け出ることができない状況です。
昨日もこの欄で述べたように、ドル円は101円台半ばより上で戻ってきたことから、前日の100円81銭は目先の底値になる可能性があります。それでもまだ、この水準から102円台を目指し、102円を固める動きは想像しにくいと思われます。外部環境の変化から再び円買いが強まる可能性もあるからです。
25日にはウクライナで大統領選があります。ウクライナでは東部のドネツク州での混乱は依然として続いており、22日もウクライナ軍と親ロシア派の衝突が再び激しくなり、16人の軍兵士が死亡したと伝えられています。さらに北朝鮮が南北境界水域に砲弾を撃ち込んだというニュースも入ってきました。また、タイでは軍部によるクーデターがあり、中国ウイグル自治区ウルムチでは爆破による死者が30人以上出ているなど、今後の展開によっては円買いが進む状況になっています。
このためドル円は一方方向に動きにくく、比較的小幅な利益を確保する姿勢で臨むしかありません。1日で1円も円安方向に動いたここ数日はむしろ例外と考えた方がよさそうです。NY株式市場は好調で、本来ならリスク選好から安全資産の債券が売られてもおかしくないはずですが、債券も堅調に推移し、その結果米長期金利は2.5%と、低水準で推移しています。
一方日本では今週の黒田総裁の発言にもあったように「追加緩和」を示唆する発言はなく、一部には「追加緩和はない」といった見方につながっています。日経平均株価も昨日は300円近く上昇しましたが、これはNYの株高を受けただけで、実態は底割れが避けられたといった状況です。なんとも冴えない状況が続いていますが、ここは来月の「成長戦略」の中身に期待したいと思います。予想レンジは101円20銭~102円程度と見ておきます。昨日のこともあり、午前11時に発表される中国の景気先行指標には注目したいと思います。
先週浅草の「三社祭り」に行ってきましたが、相変わらずの大混雑でした。その中にも外国人の姿が多いのには驚きました。あの大神輿を担いで練り歩く姿は、外国人にどのように映ったのか気になりました。「三社祭り」が終わると、いよいよ夏の始まりです。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
株価の大幅な反発に加え、中国製造業PMIが予想を上回ったことでドル円はアジア市場から上昇。NY市場でも101円82線まで買われ、前日の100円台後半からは1円のドル高円安が進行。
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2014-05-23 09:30