ダイキアクシスは好業績を評価して上値追いの展開へ

  家庭用合併処理浄化槽など「水」に係る事業を主力とするダイキアクシス <4245> (東2)の株価は、上場来高値(株式分割遡及修正後)を更新した。目先的には乱高下の可能性もあるが、今期(14年12月期)大幅営業増益見通しを評価して上値追いの展開だろう。   ダイキ(現DCMホールディングス <3050> )創業時の水回り事業を継承して05年7月に設立し、13年12月東証2部市場に新規上場した。環境機器関連事業(家庭用合併処理浄化槽、排水処理システム、中水道システム、地下水飲料化の上水事業など)と、住宅機器関連事業(住宅関連商材、公共施設商材、外壁工事など)を2本柱として、その他事業(クリクラ事業、バイオディーゼル燃料(BDF)事業、ペット関連商品、小型風力発電装置事業)を展開し、M&Aも積極活用している。   環境機器関連事業は設計・製造・施工・販売・メンテナンス・分析までの一貫体制に強みを持ち、国内は埼玉県・千葉県・静岡県など浄化槽需要の多い地域で営業を強化している。さらに成長分野として上水事業、温度差エネルギー設備事業、バイオディーゼル燃料事業、食品廃棄物のバイオガス化事業なども強化する。住宅機器関連事業は近畿・中国・四国地域に展開し、住宅関連商材はTOTO <5332> の特約店である。   海外は中国とインドネシアで排水処理関連装置の販売・施工・維持管理事業を展開している。工場排水や商業排水から手掛け、その後家庭用浄化槽に展開する計画だ。14年4月にはインドネシアの現地法人の増資を引き受けた。インドネシアでの業容拡大に向けて、現地法人の生産工場移転・新規生産設備導入を進める方針だ。   5月13日に中期経営計画を発表した。中期の事業展開方針として、環境機器関連事業の「水(AQUA)」に係る事業を軸に経営基盤を固め、中国・四国地域を中心とする住宅機器関連事業、インドネシアを拠点として東南アジアを中心とする海外展開を積極推進する計画だ。数値目標としては16年12月期の売上高350億円、経常利益10億70百万円を掲げている。売上高の内訳は環境関連機器事業186億円(うち海外13億10百万円)、住宅機器関連事業150億円、その他事業14億円としている。   5月13日に発表した今期(14年12月期)第1四半期(1月~3月)の連結業績は、売上高が88億18百万円、営業利益が5億86百万円、経常利益が6億01百万円、純利益が4億20百万円だった。消費増税前の駆け込み需要も寄与して計画を超過達成したようだ。   セグメント別に見ると、環境機器関連事業は売上高が44億69百万円、営業利益(全社費用等調整前)が5億71百万円だった。排水処理システムの施工や浄化槽の販売・修繕工事などが順調に推移した。住宅機器関連事業は売上高が41億51百万円、営業利益が1億62百万円だった。建設関連業者向けが好調に推移し、ホームセンターリテール商材も堅調だった。その他事業は売上高が1億97百万円、営業利益が7百万円の赤字だった。BDF精製プラントの販売、クリクラ販売数量改善などで全体として堅調に推移した。   通期の連結業績見通しは前回予想(2月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.8%増の316億円、営業利益が同34.2%増の7億10百万円、経常利益が同16.2%増の8億円、純利益が同16.5%増の4億70百万円としている。住宅機器関連事業は消費増税の影響を考慮して保守的な見通しだが、環境機器関連事業の好調が牽引して増収、大幅営業増益見通しだ。上場関連費用の一巡も寄与する。   セグメント別売上高の計画を見ると、環境機器関連事業は同10.7%増の165億04百万円の見込みだ。新製品投入効果などで小型合併浄化槽の販売台数が増加する。住宅機器関連事業は同6.8%減の141億42百万円の見込みだ。集合住宅関連の大型案件を見込まず、消費増税の反動影響を考慮している。その他事業は同40.3%増の9億27百万円の見込みだ。BDF精製プラントの回復や小型風力発電装置の販売開始などが寄与する。   通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が27.9%、営業利益が82.5%、経常利益が75.1%、純利益が89.4%と高水準である。第2四半期(4月~6月)に消費増税の反動減を想定して通期見通しを据え置いているが、上振れ余地があるだろう。   株価の動き(14年5月1日付けで株式2分割)を見ると、3月以降は概ね650円近辺でモミ合う展開だったが、5月中旬に動意付いてモミ合いから上放れた。さらに5月22日には845円まで急伸して1月の上場来高値760円(株式分割遡及修正後)を一気に突破した。好業績を評価する動きだろう。   5月22日の終値806円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS75円75銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS834円18銭で算出)は1.0倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が拡大したため、目先的には乱高下の可能性もあるが、好業績を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
家庭用合併処理浄化槽など「水」に係る事業を主力とするダイキアクシス<4245>(東2)の株価は、上場来高値(株式分割遡及修正後)を更新した。
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2014-05-23 09:30