大和小田急建設は短期調整一巡感、15年3月期営業増益見通しを評価
■3月高値圏目指す
中堅ゼネコンの大和小田急建設 <1834> の株価は、急騰した3月高値から反落したが、足元では短期調整一巡感を強めている。中期的に事業環境は良好であり、今期(15年3月期)営業増益見通しや指標面の割安感を評価して3月高値圏を目指す展開だろう。
大和ハウス工業 <1925> と小田急電鉄 <9007> が主要株主の中堅ゼネコンで、マンション建築、宅地開発、鉄道関連などの工事などを主力としている。公共インフラ補修・更新工事、マンション・鉄道関連耐震化工事、都市再開発、20年東京夏季五輪関連、リニア中央新幹線関連などで中期的に事業環境は明るい。
5月8日に発表した前期(14年3月期)業績(非連結に移行、2月28日に売上高を減額、利益を増額)は売上高が前々期比3.9%減の595億92百万円、営業利益が同4.2倍の14億78百万円、経常利益が同5.3倍の17億59百万円、純利益が11億33百万円(前々期は4百万円の利益)だった。2月28日の修正値を売上高・各利益とも上回った。配当予想は同2円増配の年間7円(期末一括)とした。
不動産事業で販売用不動産の販売額が想定を上回った。完成工事(建築事業と土木事業)総利益率が5.42%となり、同0.63ポイント改善したことも寄与した。経常利益および純利益については営業外収益での受取配当金の増加も寄与した。受注工事高は建築工事の増加で同28.6%増の649億44百万円、完成工事高は民間建築工事の減少で同13.1%減の520億75百万円、期末手持ち工事高は同44.3%増の419億16百万円となった。
セグメント別に見ると、建築事業は売上高が362億90百万円、営業利益が2億74百万円の赤字だった。労務費や資材費の高騰で赤字だったが、前々期との比較では赤字幅が縮小した。土木事業は売上高が157億85百万円、営業利益が55百万円だった。不動産事業は売上高が75億16百万円、営業利益が16億97百万円だった。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比17.5%増の700億円、営業利益が同15.0%増の17億円、経常利益が同9.1%減の16億円、純利益が同20.6%減の9億円としている。配当予想は前期と同額の年間7円(期末一括)とした。受取配当金の一巡などで経常利益と純利益は減益見通しだが、高水準の期末手持ち工事高、選別受注の徹底、ターゲットを絞った提案型営業の強化、優位性のあるエリアでの営業展開、さらに原価低減や経費削減などの効果で増収営業増益見込みだ。
株価の動き(4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、3月高値329円から利益確定売りや地合い悪化の影響で反落し、その後は概ね260円~300円近辺のレンジで推移している。足元では5月20日と5月21日に270円まで調整したが、レンジ下限に接近して5月22日には切り返しの動きを強めている。短期調整が一巡したようだ。
5月22日の終値280円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS41円46銭で算出)は6~7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は2.5%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS585円08銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発した。サポートラインを確認して下値を切り上げる形だ。指標面には割安感があり、短期調整が一巡して3月高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は、急騰した3月高値から反落したが、足元では短期調整一巡感を強めている。
economic
2014-05-23 09:45